相続の罠!1円もかけずに会社を乗っ取る方法
定款で、相続人から株式を強制的に買い取るできる旨の定めをおいている会社も多いと思います。
しかし、ちょっと考えてみましょう。
相続人とは誰のことでしょう。
一般的には、少数株主の株式を相続した人の事を想定されているかと思いますが、オーナーの株式を相続する人も相続人と呼ばれていませんか?
何しろ強制的に買い取ることができるという強権のため、一度発動されると暴走を止められないという諸刃の剣なのです。
もし、私が少数株主として1株だけ株式を所有していて、残り全ての株式を所有するオーナーが亡くなったとします。当然相続が発生しますので、後継者の方に株が相続されることになります。
ほとぼりもさめないいうちに、私は臨時株主総会を招集して(又は招集させて)、独り言のように相続人からの株式買い取りを宣言すれば良いわけです。
なぜこんな事ができるかというと、相続人は株式買い取りについての議決権がないのです。
しかも買い取り資金は会社のお金です。
相続対策が万全の会社は死亡退職金のための保険金ぐらい入ってくるでしょうから、そのお金で買い取ってあげれば良いというわけです。
なんと、一円のお金を出さずに会社を乗っ取ることができてしまいました。
会社が買い取った株式には議決権がありませんので、その後代表取締役に自分を選任してやりたい放題とかできますよね。
というストーリーです。(もちろん私はこんな大それたことはしませんがね。)
あなたの会社の定款を見てみてください。ゾッとしたら、会社法のセンスが身についてきた証拠です。定款のひな形によく見かける規定ですしね。
次回はこのインチキな乗っ取りを防止する方法などについて検討してみます。