土日休んだ秘書減給 労基法違反の疑い
土日休んだ秘書減給 労基法違反の疑い
民主党衆議院議員 1日2万円
民主党の衆議院議員が、土日祝日に地元秘書が休むと1日あたり2万円を減給していたことがわかった。労働基準法が認める減給額の範囲を超えており、同法違反の疑いがある。議員は25日、朝日新聞の取材に対し「業務を全くしていない秘書がいたのでやむを得ず取った措置だ。07年7~12月にやっていたが、現在はしていない」と答えた。
元秘書の一人によると、07年9月に議員から当時の秘書たちに減給の導入が伝えられた。参院選があった2カ月前の7月にさかのぼって適用され、12月に4万円を減給されるなど07年中に12万5千円を減らされた。
この元秘書の月給は20万円。労働条件通知書によると、週休は2日で、月の勤務日はおおむね20日間。国会議員の地元活動は週末が中心のため、議員からは「休みは原則、平日」と伝えられていた。
労基法は、減給制裁は、1回あたり平均賃金1日分の半額までと定めている。総額にも制限があり、月給制の場合、1カ月の減給総額は月給の10分の1を超えてはならないとされている。
元秘書の場合、2万円の減給は1回当たりの上限(約5千円)を超え、2回以上なら総額の上限(2万円)も超える。労働基準監督署によると、「労基法違反の可能性が高い」という。
一方で、議員は減給制度導入と同時に、休み返上で月に20日を超えて勤務した場合は1日につき1万円を支給していたが、労基法は、時間外勤務の場合25%以上、休日出勤の場合は35%以上の割増賃金を義務づけており、支給額はそれに満たなかった。
(朝日新聞 -労働問題-)