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雇用保険の加入要件を緩和

雇用保険法改正案の概要

 政府は今国会で雇用保険法改正案を提出する。最大のポイントは保険の加入要件である雇用見込み期間を「6カ月以上」から「31日以上」に短くすることだ。 
 雇用保険の加入者は約3800万人。大半の会社員は加入している。加入要件の緩和によってパートやフリーターなど約255万人が新たに適用対象に加わる見通しだ。非正規労働者の働く環境を改善し、雇用の安全網を拡充する。
 法改正で給与にも影響がでる。失業者に生活費を支給する「失業等給付」の保険料率が賃金の0.8%(労使折半)から1.2%に上がるためだ。保険料が0.4%上がると、月収30万円の会社員の保険料は月2400円から3600円に増える。このうち家計の負担は月600円増える。
 雇用情勢の悪化で失業給付は増加傾向。料率を上げると労使の負担は増すが、失業給付の増加で雇用保険の収支が悪化するのを避ける必要が出てきた。
 保険料を納めていたのに勤め先のミスなどで未加入とされていた人への遡及(そきゅう)期間は最長2年から2年超に延長する。現在は勤め先が被保険者資格取得届を出していないと2年間しか保険料を納めていないとみなされてしまう。期間を延ばし、給付が勤務年数より減るのを防ぐ。
 政府は労働者派遣法改正案も今国会に出す。仕事がある時だけ働く登録型派遣は原則禁止。製造業派遣は派遣会社と雇用契約を結ぶ常用型派遣を除いて禁止する。交付から3年以内に施行する。登録型のうち一般事務など企業からの引き合いが強い業務に限り、施行からさらに2年間は猶予期間を設ける案が有力だ。

雇用保険法改正案の概要
•加入要件を[31日以上雇用見込み」に緩和

•雇用保険料のうち、失業等給付に係る料率を賃金の0.8%から1.2%に引き上げ

•雇用保険を維持する企業に国が助成する「雇用調整助成金」などの財源に充てるため、事業主が全額負担する保険料率を賃金総額の0.3%から0.35%に引き上げ

•保険未加入とされた人への遡及期間を「2年まで」から「2年超」に緩和

 (日経新聞 ―労働問題―)

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