社員研修に力を入れている会社が増えてきました。社員一人一人の生産性を高めていかないと、厳しい国際競争のなかで勝ち残っていくのは難しいのかもしれませんね。
以前は研修というと、講師が一方的に話しているのを眠い目をこすりながら我慢して聞くという内容が一般的でしたが、最近では参加型で体験して学ぶものや、グループワークをたくさん使うもの、さらには映画を使った社員研修まで出てきており、必要な知識がストーリーを通じて自然と入ってくるような研修も開発されてきています。研修も勉強というイメージから、参加して楽しみながら学ぶイメージに変わってきているようです。
このように研修が多様化してくると、数日間を使った合宿のような研修も出てきます。当然、夜には「宿題」が出されることもあります。
昔のように単にリポートを書くのではなく、何人かで話し合うとか、普段考えないことを考えてまとめるものも増えてきており、ある人は30分で終わるが、他の人は何時間うなっていても終わらないという人も出てきます。となると、その時間が残業なのかどうかがちょっと心配になってきます。
ある合宿の研修中にこんな宿題が出ました。「今までの人生で自分が最も影響を受けた体験、本、言葉、考え方などを発表できるように簡単にまとめておいてください」というものです。
アドリブで対応できてしまう人から、全く考えたことのない人までさまざまで、ほとんど時間がかからなかった人もいる一方、難しく考えてしまい、3時間かかっても終わらない人もいたようです。
今回の研修自体は対象者を会社が選定しており、研修自体も労働時間の中で行われていたため、きちんと給料も支給されています。
一方、研修後は会社の費用で任意参加の懇親会があったりしましたが、研修時間以外は社員の自由です。実際、散歩に行ったり、近くのコンビニエンスストアに買い出しに行ったりしていた人もいたので、例年労働時間には該当しない扱いにしていました。
しかし、一人だけ宿題が終わらずにもんもんと夜を過ごしたある社員から、後日「残業ではないか」という疑問が出たことから問題になりました。
研修の時間について、明示的な業務命令に基づかない場合であっても、黙示の指揮命令があったとして労働時間になる場合があります。
今回の研修では、宿題をしてこなかったら査定上不利益に取り扱うというようなこともなく、社員の自発的な意思に任されていたようです。実際に宿題を忘れていた人もいたようですが、事前に準備をしておくことでより研修の効果が上がる程度の宿題でした。
このようなことから考えると、黙示の指揮命令下にあったとはとうてい考えられないため、今回は労働時間にはならないことになります。
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