IFRSと会計士相互乗り入れ
IFRS(国際会計基準)導入後、会計監査につき公認会計士の相互乗り入れ(日本の場合日本と米国がメインになるのでしょうが)の可能性も有るということですが、会計基準が統一化されたくらいでそのようなことがあるのでしょうか。外部公表用の財務書類に記載された数値が世界共通のルールのものだったとして、その数値ができる過程は当然それぞれの国固有のものであるはずです。出されてくる証憑だってその内容は母国語で記載されているでしょうし、内部統制もその国特有の会社法制度下で構築されているわけですからまっとうな監査をしようとすれば相当の勉強をしなければならないと思います。そこまでして異国の会計士(若しくは異国の会計士の資格を取った自国の方)メインで自国の財務諸表を監査してもらうことにどんなメリットがあるのかまったく疑問です。自国の会社の財務諸表は、例えそれがIFRS基準でも自国の会計士に監査してもらったほうが被監査会社にとってははるかにコストパフォーマンスが高いでしょう。会計士増員やSOX法も含め、一連の改革は被監査会社が全く置き去りにされているように気がしてなりません。かえって監査という仕事をますます空洞化させてしまうように思えるのですが。