差額ベッド代は払わなくてもいい場合がある?
病気やケガで入院された方やご家族の方から、
「入院したけど個室しか空いてなくて・・・」、
「個室での治療が必要で・・・」などの理由で、
高額の入院費用がかかったなどという話はよく聞きます。
しかし差額ベッド代を請求されないケースがあることを
ご存知でしょうか?
厚生省による「差額ベッド(特別室)に関する通知」では、
差額別途について下記のような指針を示しています。
・特別室の利用は患者の自由な選択と同意に基づく
・医療機関が料金を請求できるのは、患者側の希望がある場合に限る
・救急患者や手術後など、治療上の必要から特別室へ入った場合は
料金を請求できない
・医療機関は特別室の設備や構造、料金などについて説明し、
料金などを明示した同意書に患者の署名が必要
・受付窓口や待合室など医療機関内の見やすい場所に、
差額ベッドの数や料金を掲示する
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また料金請求について具体的に事例を示しています。
■請求できないケース
・抗がん剤などの使用で免疫力が著しく低下し、
感染症を起こす可能性がある患者=治療上の必要がある
・集中治療や、著しい身体的・精神的苦痛の緩和を目的とする
終末期医療の患者=同
・特別室への入院が緊急を要し、患者の選択でない場合
(病状を経過観察し、特別室以外が空くのを待つ)
■患者の同意があれば請求できるケース
・痴ほう、いびきがひどい患者
=迷惑防止の目的だけでは、治療上の必要があるとは言えない
・感染症の患者=他の患者への感染を防ぐという理由だけでは、
治療上の必要があるとは言えない
(患者の選択でなく、病院の判断で入院させた場合は請求できない)
◎療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める
掲示事項等を定める件 - 厚生労働省
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すなわち冒頭の例のように「ほかに空きがないから」という理由で、
差額ベッドに入れられたというケースでは、
実は差額ベッド代を支払う必要がないのです。
ただ入院の混乱の中では「知らない間に同意していた」、
などということがよくあります。
同意書などの書類は事前に中身をよく検討してから、
署名するようにしてください。