火災保険の基礎知識・保険金の支払われ方
先週に引き続き、今週も火災保険の基礎知識です。
早速ですが、先週も触れた「再取得価額」について、
もう一度おさらいしておきましょう。
まずひとくくりに「保険金」と言っても、
生命保険と損害保険ではその支払われ方に大きな違いがあります。
生命保険や医療保険では、死亡したら5000万円とか、
1日入院したら1万円といったように、
その事象が起こったら最初に決めた保険金が支払われます。
しかし一方の損害保険の考え方は、
実際に被害にあった額を限度に支払われるとういうのが前提です。
例えば同じ家を立て直したら5000万円かかる物件に
1億円の保険を掛けていたとしても、
実際に火災で全焼した場合に支払われる保険金は、
再び調達するのに必要な5000万円ということになります。
保険業界ではこのような保険を
超過保険(掛け過ぎている保険よいうことですね)と言い、
誤った保険の掛け方とされています。
例えその物の価値以上に保険を掛けても
その物の価値以上には保険金を受け取れないというのは、
犯罪防止の観点からも納得いただけると思います。
◎保険料のムダ! 火災保険の「超過保険」はこうして起こる
◎「一部保険」、「全部保険」、「超過保険」とは
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実際に火災で家が全焼してしまった場合、
もう一度同じ家を建てるのに、
大工さんに頼んで使用した分だけ古く建てて欲しいと頼んでも
それは無理な話ですから、
今同じ家を建てたらいくら掛かるのかという
「再取得価額」で保険を掛けられるのは、
とても合理的だと思われます。
最近の火災保険では、
契約の際に再取得価額(評価額)をきちんと確認しておけば、
事故があった際にその限度額内でいくらまで
保険金を支払って欲しいのかという掛け方も、
特に家財道具の保険を中心に出来る様になっています。
(一部の保険会社では建物でも同様の掛け方ができます)
例えば家財を再取得するのに全部で1500万円かかるうち、
保険金が1000万円まで支払われる様な契約も可能です。
かつては「火事になっても柱が1本でも残っていると、
その分差し引いて支払われる」というような
実しやかな噂がありましたが
(私も社会人に成り立ての頃、実際に聞きました)、
最新の保険ではこのようなことはなくなっています。
ただしきちんと納得した保険金を支払ってもらうためには、
保険を購入する側も「保険は常に進化しているらしいから、
きちんと説明を聞こう」といった意識を
今まで以上に持つことが必要だとも感じております。