ちょっと待った!!
生命保険は、続けるか止めるかのいずれかしか
その選択肢はないと思われている方が多いようです。
今回は、先日私が受けた相談をご紹介させていただきたいと思います。
Aさん:42歳男性
国内大手生保で定期特約付終身保険:4,000万円加入
(内訳)終身保険:200万円+定期保険:3,800万円
加入会社の営業職員より、
「3年後に更新を迎えられると毎月の掛け金が2倍に上がります。
今のうちに同社の最新型の保険へ"転換"されると宜しいかと・・・」。
どう対処したらよいか困っているとのこと。
転換とは、今までの貯まりの部分を新たな保険に充当するなどして、
掛け金の負担を軽減して、大きな保障を購入することが出来たりするものです。
(決してそれを否定するつもりはありません)
しかし転換をして、掛け金があまり上がらない場合は、
掛け捨て部分に貯まりが充当されてしまい、
次の更新時には掛け金が急騰する可能性があります。
私はAさんに、次のようなアドバイスをしました。
「予定利率(銀行で言う利息)が、今よりも良い時に
加入されたものなので、転換はお勧めしません。
転換することで、現在の低い予定利率での新規購入となり、
メリットを手放してしまうからです。
更新や転換の前に、【払い済み】を検討しましょう。
【払い済み】は掛け金の払い込みを止めて、
その時点での解約返戻金(貯まり)を使って、
一生涯の終身保険を手にする手法です。」
これにより、Aさんは支払の完了した「365万円の終身保険」を
手にすることが出来ました。
更に煙草を吸わないAさんは、今まで支払っていた掛け金の範囲内で、
更新のない死亡保障をローコストで手にし、
一生涯の入院保険を別途購入することが出来ました。
大切なのはテクニックではなく、考え方だと常々思っています。
今回のケースも、健康であったAさんが、大切な家族の為に
面倒臭がらずに、真摯にリスク対策に向き合ったからこそ、
より良い見直しに繋がったのではないでしょうか。
【払い済み】にすると、全ての特約がなくなってしまい、
その時点で抜本的な見直し(新規加入)が必要となるため、
健康状態を問われます。
場合によっては、転換は愚か、更新しながらその保険を有効に
生かすしかないことも十分にあり得る話です。
まずは現在加入されている保険の内容を把握し、
必要な保障のサイズや期間はもとより、
どういったメリットやデメリットがあるかを
専門家に相談されることをお勧めいたします。
また、予定利率が3%台だった96年春ぐらいまでに
加入した保険は基本的に大切にし、
Aさんのように健康な今のうちに、【払い済み】等を活用して、
長期にわたってのリスク対策をされることをお勧めいたします。
紙面の都合で今回は払い済みだけを取上げましたが、
保険には解約・減額・失効・転換・変換等々、様々な対応があります。
安易に解約や更新をされるようなことのないよう、
保険と対峙してもらいたいと思います。