「片面的強行規定」ってなに??
春先、生命保険各社より「保険法」に関するお知らせが
皆様のご自宅に届いたことは記憶に新しいのではないでしょうか。
保険契約に関するルールは、実質的には100年近く改正されないまま
今日を迎えておりました。
そこで、この春(4月1日)より、「保険契約の締結から終了までの間に
おける、保険契約関係者の権利義務等」が定められた法律が
【保険法】として施行されました。
お客様と直接対面販売する我々保険代理店の役割は、またまた大変さを
増して参りました。
いくつか、かいつまんでお話しますと、
◆被保険者の告知義務が「質問応答義務」となり、
何を告知すべきかを保険会社が指定し、それに答える
という形式になりました。
◆保険給付の履行期が規定されたことにより、
保険金の支払いに必要な期間を経過すると、
履行遅滞の責任を保険会社が負う旨が定められました。
◆遺言による受取人の変更が可能となりました。
◆保険金詐欺など契約存続を困難にする重大事由がある場合には、
保険会社が契約解除出来ることを規定いたしました。
そんな中、"「片面的強行規定」の採用"という、日常会話には登場
しない、けったいな表現が条文の中で目を引きました。
これは、約款の定めが【保険法】の規定よりも保険契約者・被保険者・
保険金受取人にとって不利と評価される場合には、その部分を無効と
する一方、保険契約者・被保険者・保険金受取人に有利な内容であれば、
保険法の条文に反する内容でも約款は無効とならないとする規定です。
つまり、法律の条文も、分厚い約款も、所詮ただのルールであり、
守るべきはモラル、優先すべきは契約者保護、と痛快に謳いこんでいます。
昨今「ルールさえ守れば何をやっても良い」的な発想が横行している
世の中において、実に明快な約束事ではないでしょうか。
これにより、皆様はより安心して契約を結ぶ事ができるようになります。
一方、私達保険代理店の役割と責任は膨大に増え、本当の意味で質の高い
サービスの提供を求められる時代に突入したといっても過言ではありません。
損保の大型合併も控えている今、どこに何を聞き、誰に何を任せれば
よいのかが、益々問われてくると思われます。
保障の内容だけではなく、管理やメンテナンス・情報提供といった観点からも、
保険マン(代理店)の選択選別を、今一度されることも必要ではないでしょうか。
どんなにルールが変わっても、守るべき大切なものは不変です。
「片面的強行規定」などといった複雑な文字に出くわすたびに、
もっともっと分かりやすくて易しい表現に努め、正しい保険の普及を
推進していかねばならないと改めて感じる今日この頃でした。