部下のマネジメントとは自分のマネジメント
人を動機づけするには3つの方法があります。
1 苦痛を与えて従わせる
2 快楽を与えて従わせる
3 相手の価値観に火をつける
1と2はセットで用います。簡単に言えば「アメとムチ」。
期待している成果が出ていなければ罵倒し、恐怖を与えます。
時には減給、賞与カット、解雇をちらつかせます。
「こんなに叱られるくらいなら、仕事をした方がましだ。」と相手に思わせるのです。
そして成果が出た場合は相手を褒め称え、
昇給、賞与の支給、昇進の道を与えます。
これは相手を従わせる即効性があるので、
20世紀には大流行りでした。
今もこのマネジメント手法を使っている方もいるようですが、
私はこういうマネジメントは前世紀の遺物だと思っています。
即効性というメリットはありますが、デメリットが多すぎます。
まず、仕事を手段として捉えがちです。
叱られないことが目的になりますので、
叱られない程度の仕事しかしなくなります。
仕事の質が低下するということです。
特に、これからはサービスを通して相手に感動を与える時代。
「叱られないために」程度のモチベーションでは、
お客様に感動を与えるなんてできません。
また、社内の人間関係、職場の雰囲気も悪化します。
気持ちよく働けません。
中には心身の健康を害する人も出てくるでしょう。
これからは「相手の価値観に火をつける」マネジメントの時代です。
自らがしたいと思うからその仕事をする。
その仕事を誇りに思って仕事をする。
こういうモードで仕事をすれば、創意工夫が生まれ、
知識や技術もレベルアップします。
長い目で見れば、仕事の質は向上しますし、
そうした仕事がお客様の感動を誘います。
ただ、即効性がないことと、
多くの人がこうしたマネジメントを経験していないので、
具体的にどのようなコミュニケーションを
日々取ればよいのかが分かりにくいのがネックです。
私も、社内では日々試行錯誤の毎日です。
時には接し方を失敗して、従業員の意気を意味もなく消沈させてしまうこともあります。
ただ、大原則は当たり前ですが、
「相手を人間として認めること」
「相手の存在を心から受け入れること」
「相手の成長を心から願うこと」といった、心構えにあると思います。
この心構えをベースにした具体的な行動や施策は人によって様々ですが、
この心構えがないと、何も始まりません。
心のありようは必ず相手に伝わります。
つまるところ、部下のマネジメントというのは、
自分自身の心のありようのマネジメントに行き着くのです。
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