経営が苦しくなった時に思い出していただきたい解雇等に関するルール 3
解雇に関するルール、第3回です。
これまで取り扱った内容については、
下記のリンク先でご覧ください。
1 解雇が禁止されているケース
2 解雇の効力
3 解雇の手続
4 解雇事由
今回は整理解雇と退職勧奨について、
厚生労働省発行のパンフレットを
若干ですが読みやすいように改変・追記して、
皆様にご紹介致します。
5 整理解雇
事業を継続することが困難な場合に行う
人員整理としての使用者からの労働契約(雇用契約)の解除を
整理解雇と言います。
いわゆる「リストラ」です。
普通解雇の一種ではありますが、
一般的には、従業員側に落ち度がないにもかかわらず、
会社の都合により労働契約を解除する行為であることから、
解雇の妥当性については、厳しく判定されます。
整理解雇についても、客観的に合理的な理由を欠き、
社会通念上相当と認められない場合には、
権利の濫用として、労働契約法の規定により、無効となります。
また、次のことについて
慎重に検討を行っていただくことが望まれます。
・ 人員削減を行う必要性
・ できる限り解雇を回避するための措置を尽くすこと
・ 解雇対象者の選定基準が客観的・合理的であること
・労働組合との協議や労働者への説明を行う等、
妥当な手続きを行うこと
※ 解雇回避のための方法としては、
例えば、配置転換、出向、希望退職募集等を
検討することが考えられます。
※ 人員削減を避けるために、
労働時間の短縮(ワークシェアリング)を行うことも
一つの方策です。
整理解雇を検討する場合は、
その前段階として、早期退職制度を設け、
自主的な退職を促したり、
退職勧奨を行って、合意の下に
退職してもらうなどをするケースが多いです。
【裁判例】
余剰人員となったというだけで解雇が可能なわけではなく、
これが解雇権の行使として、
社会通念に沿う合理的なものであるかどうかの判断を要し、
その判断のためには、人員整理の必要性、人選の合理性、
解雇回避努力の履践、説明義務の履践などは
考慮要素として重要なものというべきである。
(大阪地裁 平成12年12月1日判決)
6 退職勧奨
使用者が労働者に対して
【裁判例】
余剰人員となったというだけで解雇が可能なわけではなく、
これが解雇権の行使として、
社会通念に沿う合理的なものであるかどうかの判断を要し、
その判断のためには、人員整理の必要性、人選の合理性、
解雇回避努力の履践、説明義務の履践などは
考慮要素として重要なものというべきである。
(大阪地裁 平成12年12月1日判決)
6 退職勧奨
使用者が労働者に対して
強制ではない退職の働きかけを行うことを
ただし、裁判例によれば、
退職勧奨と言います。
使用者が「退職してはどうか?」と提案する行為であり、
俗に言う「肩たたき」です。
あくまでも会社側からの提案であり、
その提案には強制力がないことから、
退職勧奨自体には法的な規制はありません。
ただし、裁判例によれば、
被勧奨者の自由な意思決定を妨げる退職勧奨は、
退職を強要することにつながり、
違法な権利侵害に当たるとされる場合があります。
【裁判例】
違法な権利侵害に当たるとされる場合があります。
【裁判例】
ことさらに多数回、長期にわたる退職勧奨は、
いたずらに被勧奨者の不安感を増し、
不当に退職を強要する結果となる可能性が高く、
退職勧奨は、被勧奨者の家庭の状況、
名誉感情等に十分配慮すべきであり、
勧奨者の数、優遇措置の有無等を総合的に勘案し、
全体として被勧奨者の自由な意思決定が
妨げられる状況であった場合には、
当該退職勧奨行為は違法な権利侵害となる。
(最高裁第一小法廷 昭和55年7月10日判決)
(最高裁第一小法廷 昭和55年7月10日判決)
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