◇所有権留保・譲渡担保(1)
動産を担保に取る方法として、
質権のほかに所有権留保と譲渡担保の二つが利用されています。
質権がビジネスの世界で利用されないのは、
債権者が動産の占有を取得してしまい(質権成立の要件)
債務者または物上保証人が、機械設備を使用できなくなったり、
あるいは在庫商品の販売ができなくなるためです。
そのため、債務者や物上保証人のもとに
機械設備や商品をとどめておきながら、
しかも担保として債権者が支配しようとして考え出されたのが、
所有権留保と譲渡担保です。
所有権留保も譲渡担保も、
債権者が動産の所有権を持っていることにより、
万一、債務不履行が生じたとき、
その動産を引き揚げて、
債権回収を図ろうという目的のために利用されています。