前回からの続きです・・・

建築違反と給水拒否
違反建築物に対する是正措置は、実際上十分には行われないのが現状ですが、この現状を抑制する手段として、地方自治体が違反建築物に対して水道事業等による水道の給水などを拒否できるかが問題となります。
水道事業は国民の日常生活に必要不可欠な公益性の強い事業であるので、水道法はその供給について「正当の理由」があるときを除いて原則として供給義務があることを規定しています。そして、給水を拒否できる正当の理由に該当するかどうかは、公衆衛生の向上と生活環境の改善に寄与するという水道法自体が有する行政目的によってのみ判断されるべきであり、たとえ実施主体が同一であっても、違反建築の是正という別個の行政目的をもって給水を拒否することはできないとされています。

〔参考となる法令など〕
建築基準法9条
行政代執行法2,5,6条
水道法15条
最判昭和61.2.20判例地方自治32・64

－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－

当方事務所の業務案内
1.不動産登記全般（売買・贈与・相続・担保権抹消・設定ほか）
2.商業登記全般（株式会社設立・役員変更・資本増加減少・解散・社団財団法人・ＮＰＯ法人・合名、合資、合同会社ほか）
3.相続手続き全般（相続税対策・遺産分割・相続放棄・遺言・遺留分減殺ほか）
4.借金の整理（破産・任意整理・過払い金請求ほか）
5.成年後見業務・任意後見業務
6.裁判手続き
7.裁判所提出書類作成業務