企業会計基準委員会、企業会計基準適用指針第22号「連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲の決定に関する適用指針」を公表
1.情報元 企業会計基準委員会(http://www.asb.or.jp/html/documents/docs/VC-hanni/)
2.日 付 平成20年5月13日
企業会計基準委員会は、平成20年5月13日付けで、企業会計基準適用指針第22号「連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲の決定に関する適用指針」を公表しました。
これまで子会社及び関連会社の範囲の決定に関しては、日本公認会計士協会監査委員会報告第60号「連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲の決定に関する監査上の取扱い」(以下「監査委員会報告第60号」)が実務上の指針として用いられてきました。企業会計基準委員会では、監査委員会報告第60号のうち会計上の取扱いに関する部分について、その内容を引き継いで新たな適用指針を定めることとし、加えて会社法の施行への対応や取扱いの明確化が必要と考えられる点への対応について審議を重ね、今回の適用指針の公表に至りました。
本適用指針は、連結財務諸表を作成することとなる場合に適用されます。なお、個別財務諸表における子会社及び関連会社に対する投資の範囲、及び連結財務諸表を作成していないが個別財務諸表において連結財務諸表に係る注記を行なうこととなる場合についても、本適用指針の定めによるとされています。
本適用指針の主な概要は以下のとおりです。
1.子会社の範囲の決定に関する取扱い
①他の会社の議決権の過半数を自己の計算において所有していないが、当該他の会社等の意思決定機関を支配している場合、子会社に該当します。
②いわゆる孫会社の場合も親会社の子会社に該当します。
③財務上又は営業上若しくは事業上の関係からみて、他の会社等の意思決定機関を支配していないことが明らかであることが認められる場合、当該他の会社等は子会社に該当しません。
④子会社のうち、支配が一時的であると認められる会社等は連結の範囲に含めません。
⑤子会社のうち、連結することにより利害関係者の判断を著しく誤らせるおそれのある会社等は、連結の範囲に含めません。
⑥更生会社、整理会社、破産会社その他これらに準ずる会社等であって、且つ有効な支配従属関係が存在せず組織の一体性を欠くと認められる会社等は、子会社に該当しません。
2.関連会社の範囲の決定に関する取扱い
①他の会社等の議決権の100分の20以上を自己の計算において所有していないが、当該他の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる場合、関連会社に該当します。
②財務上又は営業上若しくは事業上の関係からみて子会社以外の他の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができないことが明らかであると認められる場合、当該他の会社等は関連会社に該当しません。
③更生会社、整理会社、破産会社その他これらに準ずる会社等であって、且つ当該会社等の財務及び営業又は事業の方針に対して重要な影響を与えることができないと認められる会社等は、関連会社に該当しません。
④子会社の場合と同様に、財務及び営業又は事業の方針の決定に対する影響が一時的であると認められる関連会社に対する投資については、関連会社に該当します。持分法を適用しません。
⑤子会社の場合と同様に、持分法を適用することにより利害関係者の判断を著しく誤らせるおそれのある関連会社(非連結子会社を含む)に対する投資については、関連会社に該当します。持分法を適用しません。
※持分法
企業が連結財務諸表を作成する際に、連結子会社以外の会社であっても、企業グループ全体の業績に影響を与える関連会社や非連結子会社の状況も反映させるための会計方法。原則として、議決権所有比率が20%以上50%未満の非連結子会社・関連会社に適用され、それを持分法適用会社という。
3.会社に準ずる事業体に関する取扱い
子会社又は関連会社の範囲に含まれる会社等には、会社、組合その他これらに準ずる事業体(外国の法令に準拠して設立されたものを含む)が含まれます。例えば「資産の流動化に関する法律」に基づく特定目的会社や「投資信託及び投資法人に関する法律」に基づく投資法人等が該当します。
4.適用時期
(1) 平成20年10月1日以後開始する連結会計年度から適用するとされています。ただし、平成20年9月30日以前に開始する連結会計年度から適用することができるとされています。
(2) 本適用指針を適用することにより、これまでの会計処理と異なることとなる場合には、会計基準の変更に伴う会計方針の変更として取り扱うとされています。
詳細につきましては、上記URLをご参照下さい。
情報提供元:ファイブアイズ・ネットワークス(株)