税務調査で黙秘権は使えるのか
刑事ドラマなどで「黙秘権を行使します」とかいって、取り調べに対して無言を貫き通す場面を見たことありませんか。刑事裁判でもそんな場面がありますよね。
一応、憲法38条に、「何人も、事故に不利益な供述を強要されない」と書いてあるので、このような権利が認められる事になります。
とはいえ、税務調査の際に黙っているとどうなるのでしょうか?
おそらく、調査官に軽く「調査には協力義務があるんですよ」たしなめられてしまうと思います。
実は、税務調査官には「質問検査権」という権限が与えられていまして、我々国民は受忍義務という義務を負っています。あまり、調子に乗って黙っていると、罰則を食らうことになりますのでご注意ください。
しかし、実際問題として3年前の事など忘れてしまっているという場面に出くわすことがあります。特にご高齢の社長になると妙に説得力があります。
後日調べてご回答しますといってみたとしても、資料が残っていなければ不利に扱われることが常なので、黙っていたり忘れてしまうくらいだったら、きちんと領収書にメモするなり、忘れないための努力をすべきでしょうね。
そうそう、たとえ質問検査権があるからといって、調査に関係がないような事を聞かれたら、それは単なる雑談ですので、キャバクラのおねぇちゃんの好みなどを聞かれてもまじめに答えなくても大丈夫です。
税務調査自体は、きちんと協力して、処理に間違いがないことを確認してもうだけの話ですので、それほど怖いものではありません。
専門家としては、雑談になるといろいろな可能性や質問の意図を頭の中で考えてしまい、逆に緊張してしまいます。ほとんどは取り越し苦労でして、本当に雑談ということもあるんですけどね。