エンジェル税制のもう一つの側面
5月からの新しいエンジェル税制で、寄付金としてベンチャー企業への投資額が控除できるという制度ができましたが、実は、その土台になっている制度がもう一つあります。それは、5月の改正前からある既存のエンジェル税制です。
こちらは、株式の譲渡益が出ている人が、ベンチャー企業に投資すると、その投資額を譲渡益から控除できるという制度です。
簡単に言うと、株で大きく儲けた人は、リスクが高く、あたったときのリターンが大きいようなベンチャー投資をすることで税金が安くなるということになります。
あまり知られていないのがここからで、譲渡益からの控除と寄付金の控除は選択適用ができるのです。
たとえば、経済産業省のホームページに適用企業のリストが掲載されていますが、ここに掲載されている優遇措置Aが寄付金の控除、優遇措置Bが譲渡益からの控除ができる企業です。
ABが併記されている会社は、どちらか有利な方を選択できるというわけです。(通常Aを申請するとBも認められます)
Aの寄付金控除はたとえ株をやらないサラリーマンでも控除できるという制度ですので、比較的幅広く税制優遇を受ける事ができます。
Bの譲渡益からの控除は、なんと上限がないのです。株でガッツリ儲かった方はたくさんのベンチャー企業に投資して、さらに10社に1社でも上場してくれれば万々歳というような投資ができるのです。
といっても投資先がまだまだ少ないのが実情で、早く1000社ぐらい並んで、気に入った企業に連絡して投資するみたいなことができればおもしろいと思います。
申請自体は比較的簡単な手続きの部類ですので、是非チャレンジしてみてください。