金庫株ですか?儲かってますね。
金庫株っていわれてもなんだかよくわかりませんよね。
別に金庫に株券を入れておくというわけではないので念のため。
(電子化されるので早く証券会社に預けましょう)
金庫株というのは、自社株を会社が買い取る場合、買い取った株の事をいいます。
今では資本の部にマイナス項目として載ることになっています。
単なる株の売買だから、何の問題も無いと思う人が多いのですが、まさにこういう人がいいカモです。
特定の株主から、「お金がないから株を買い取ってください」などといわれてしまうと、これ幸い、うるさい株主が減るということで簡単に応じてしまいがちです。
しかも会社にお金があるとそのお金で買い取ってしまえというわけです。
確かに会社法上かなり手続きが簡略化されて使いやすくなったのですが、それと税法は別物です。
特定の株主の株を高く買い取ってあげるのですから、ある意味今まで払っていなかった配当を一気に行ったのと何ら変わりません。おかげで、「みなし配当」という規制に引っかかります。
そうすると、まず20%の源泉所得税を差し引かなければいけないのですが、当然忘れてますよね。(計算も複雑ですし)
はい。そうすると罰金付きで払っていただきます。
税務署としてはそのお金は元の株主に払いすぎているわけですから、どうぞご勝手に取り返してくださいというわけです。しかし、実際はすでに連絡がつかないなどということが多発し、実質的に会社がかぶることになります。
まだ、それだけではありません。株を売って代金を受け取った本人にも課税が行きます。
一気に株を売ってしまっている場合など、最高税率が適用される場合すら出てきます。
そんなの黙っていればバレないのではと思うのは素人の浅知恵。
実は会社から支払調書というのがでてきます。これを元に税務署側でも簡単に調べがつきますので、申告していなければすぐにバレます。
税務署にとってはかなりおいしい話ですよね。
もし株価の決定がいい加減だったり、本来株の売り主から返してもらうお金を会社が負担してしまっていると、さらにいろいろとつつかれます。
一度だけでなく、二度三度ととれるおいしい取引が自社株買いなわけです。
こんな哀れな事になる可能性があるのはご存じでしたか?
p.s.会社の株を動かすと申告書や概況書という書類ですぐにわかります。税務署からすぐにお尋ねが送られてきてしまうのはそういうからくりです。