社長、このお金どこに持って行ったんですか?
貸借対照表に社長への貸付金が計上されている会社も多いようです。しかし、毎年この金額が増えて行くとなると話はやっかいです。
明らかに会社のお金がどこかへ消えてしまっているわけです。
使い道はいろいろでしょうが、会社としてはたまったものではありません。
利益がほとんど無い会社の場合、役員報酬を増やすこともできず、やむなく社長への貸付金にしてしまっているのでしょうか、税務署にとってこのお金の流れはかなり興味を引かれる取引です。
当然、お金を貸したわけですから利息を払ってもらわなければいけないです。銀行借入が無ければ4%台の利息になりますので、金額次第では会社の利益が増えてしまいます。税務署にとってはここで税金を取れますし、罰金も取れます。
また、きちんと返せるという見込みがあるのかどうかも重要で、返せる見込みのない貸付は役員賞与とみなされてしまう可能性すらあります。こうなると、多額の所得税を払うハメになってしまいます。
税務署にとってはどちらに転んでもおいしい取引です。
そうそう、もし外部の株主がいるとすると、この貸付を承認した取締役たちも、会社にお金を返せと訴えられる可能性があります。社長を監視するのも取締役の務めですから仕方ないのです。
税務署から金銭消費貸借契約書や取締役会議事録、貸付金の元帳などの提出を求められることもありますが、明確に意義を述べて反対した旨議事録に書いておかない限り、他の取締役にも責任が降りかかって来る可能性があるのは知っておいて損がありません。
p.s.まさに、踏んだり蹴ったりの結果ですね。