こちらとしては、相手先に確認に行ってもいいんですよ。
税務調査も佳境に入り論点も固まってくると、お互いの手の内の探り合いになったりします。
税理士側からはったりをかけるのは当然としても、税務署側も負けてはいません。
相手の顔色を見ながら、どこまで知っているのかとか、どこまで自信があるのかなどを探り合います。
そんなときによく出てくる言葉がこれ。
「こちらとしては、相手先に確認に行ってもいいんですよ。」
税務署側は反面調査という調査を行って、本当にこの取引が正しいのかどうかを確認しますよといっているわけです。自信を持って「どうぞ」と言えれば結構強いのですが、そこで、会社側から「できるだけ穏便に」みたいな指示が出ていると税理士は板挟みです。
当然、取引相手に調査に行かれると、こちらの会社の調査で迷惑をかけることになりますし、脱税でもしているんじゃないのという噂が広まりかねません。
かといって、払う必要もない多額の税金を徴収されるのもたまらないので、何とか妥協点を探ることになる場合も出てきます。また、調査が長引いていて、事業に支障が出始めている場合などもなおさららです。
個人的には「どうぞどうぞ」と突っぱねて戦いたいのですが、依頼者の意思が最優先の代理人としては辛い立場です。
最近は税務署側もこちらの事情がある程度わかっていて、飲みやすいところで折り合いがつくことが多いような気がしますね。