棚卸しの時の資料を見せてください。
きちんと棚卸しをすると、A商品が単価いくらで何個、B商品が単価いくらで何個というようにエクセルなどで表をつくると思います。
実際にやってみるとわかりますが、とても一人で全部やろうなんて思わない仕事です。
みんなで手分けして、はい、鈴木さんは右の棚、田中さんは真ん中の棚みたいに手分けして作業を行うのが一般的です。
そうすると、そのときに「正」の字でも書いたようなメモが残るはずなのです。
このメモ、捨てていたとしたら、なんともったいないことか。
実は、棚卸しの数量をごまかして脱税する輩が後を絶たず、税務調査では真っ先に疑われます。
前年対比で大きなズレが無かったり、倉庫を見てみてこのぐらいという印象とズレが無ければ突っ込まれることがないのかもしれませんが、本当の数より少なく計上すれば、原価が増えますので簡単に脱税できてしまうのです。
しかも、後から利益水準を確認しつつ調整するなんてことすらあります。
一方税理士としても、会社がこれで正しいといって出してきた棚卸し表にケチをつけるほど暇ではないので、それを信じて税金の申告書を作成していることが多いようです。
本来ケチをつけるのは公認会計士や監査役、その他の取締役たちのはずですから、あまりにも現実とかけ離れていない限り、税理士にチェックを求めるのは酷というものです。
どうしてもチェックさせたいなら、会計参与や監査役にしてしまうのがベストです。
そんなこんなで、税務署は疑いのまなざしで見ていますので、もしメモがきちんと保存してあって、検算の後が残っていたり、担当者の署名や印鑑、上司の確認印などが残っていて、棚卸し表とあっていればどうでしょう。
いらぬ疑いがかかりませんし、万が一文句をつけられたとしても強力な証拠になるのです。
裁判官の前に出しても納得してもらえそうな証拠は、税務調査で超強力な武器になります。
p.s.税理士に竹槍でB29を落とせと言うような会社も多いのですが、こちらも槍投げぐらいはしますので、カラスぐらいなら何とか・・・。