端数切り捨てで、はいサヨナラ
もともとは上場しているような大きな会社で、株主が何千人もいるような会社が対象の制度なのですが、中小企業にとっても場合によっては使える制度があります。
その一つが「単元株制度」てす。
株主がたくさんいると、株主総会の招集通知を大量に印刷・発送したり、配当をするにも手数料などのコストの方が高いような場合が出てきます。一方、少数の株しか持っていない株主には、ほとんど会社に興味もない人たちが多く、場合によっては総会屋が株主総会で発言するためだけに株を1株だけ持っているというような事すらあります。
さすがにそれでは不合理だろうということで、10株とか、1000株(上限が1000株)と一定の株数をひとまとめにして、その単位で議決権などの株主としての権利を行使してもらおうという制度です。
定款で定めれば配当を受ける権利や、会社がつぶれたときに払い戻しを受ける権利を除くほとんど全ての権利を制限できますので、効果は非常に強力です。
逆に単元未満の株数しか持っていない株主は、会社に対してその株式を買い取れという請求をすることができますので、資金回収の道だけはきちんと残されているというわけです。
通常、会社が株式を買い取る場合は財源規制があったりしてやっかいなのですが、その規制もないので、非常に使い勝手が良い制度です。
導入にあたっては、総会でこの制度を必要とする理由を説明して定款を変更し、登記することが必要になります。この際に一緒に単元未満株についての様々な権利の制限を定める事になるのでしょうけど、きちんと定ければ、株主代表訴訟や帳簿閲覧権なども制限できるという流れです。
強力な制限であるだけに、濫用すれば裁判にまで発展する可能性がありますのでご注意ください。