労災保険料率0.16%下げ
事業主負担 1800億円減
厚生労働省は22日の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の部会で、2009年度の労災保険料率を全54業種平均で0.7%から0.16%引き下げ、0.54%とする案を提示した。引き下げで事業主の負担は年間約1800億円減る。改定の参考にする過去3年間の労働災害が建設業などで減っていることから、引き下げても問題はないと判断した。部会は厚労省案を了承。来年4月からの料率下げが固まった。
労災保険は労働者を雇っている全事業主が加入し、従業員が勤務中や通勤時にけがや病気になった際に、保険金を給付する仕組み。原則、従業員の総賃金に労災保険料率をかけて算出した保険料を、事業主がすべて払う。
業種ごとにけがや障害の発生状況が異なるため林業、漁業など54業種に分け、0.45~11.8%の範囲で料率を決めている。
労災保険料率はおおむね3年ごとに改定され、次回改定は09年度となっていた。(20.12.24 日経新聞 -労働問題-)