うつ病発症で自殺 7940万円賠償命令
「JFE子会社に」
JFEスチール(旧・川崎製鉄)の社員だった男性(当時43歳)が自殺したのは過酷な労働でうつ病を発症したことが原因として、遺族が同社と出向先の子会社「JFEシステムズ」(旧・川鉄情報システム)に損害賠償を求めた訴訟の判決が8日、東京地裁であった。大段亨裁判長は業務と自殺の因果関係を認め、JFEシステムズに約7940万円の賠償を命じた。
判決によると、男性は川鉄情報システムに出向中の2000年6月、自動車メーカー向けシステムの開発の実質的責任者になったが、システムに不具合が続発。メーカーへの長期出張や休日出勤が重なり、同年6~8月の残業は月に100時間を超えた。7~9月にうつ病を発症、自宅療養を経て01年5月に復職したが、同年8月に自殺した。判決は「長時間労働による疲労や、責任者としての過大な心理的負荷によってうつ病を発症することを予見できたのに、必要な人員配置などを行わなかった」と同システムの過失を認定した。
(20年12月9日 読売新聞 -労働問題-)