下請け取引 適正化へ対策強化
下請け取引 適正化へ対策強化
中小企業庁 過剰要求など是正
中小企業庁は、親企業と下請け企業の取引の適正化に向けた対策を一段と強化する。親企業による取引上の過剰な要求や、長期手形での支払い方法を見直すのが柱。大企業がコスト削減圧力を強める結果、下請けに過度な負担を強いる取引が増えているためだ。適正取引を定めた「下請代金支払遅延等防止法(下請代金法)」の運用基準の変更も検討する。
24日に全国商工会連合会や日本商工会議所、自動車や住宅など業界団体の代表らを集めて会合を開き、対策の検討を始める。2009年3月にも提言をまとめる考えだ。
中企庁は、下請け企業に過度な負担を課している取引慣行があるかを調査する。例えば下請け企業からの納品に不良品が見つかると、すべて返品して作り直させたり、検査コストや不良品の回収費用を負担させたりすることがある。品質基準を定めずに過剰負担を強いるケースなどは是正を求める見通しだ。
下請代金法は製品やサービスを納入してから60日以内に代金を払わなければならないと定めている。実際には下請け企業が現金を受け取るには半年近くかかる例もあるという。倒産が増え手形の不渡りリスクも高まっており、中企庁は手形による支払いの実態も調査することにした。(20.12.19 日経新聞 -労働問題-)