若手の離職
企業の4割問題視
日本能率協会がまとめた企業の人事・教育領域の課題に関する調査結果によると、新入・若手社員の離職を問題と考えている企業は40.5%に達した。経営者は社会問題化している若年層の早期離職に頭を悩ませており、「人事考課のフィードバック」など離職防止の知恵を絞っている。
調査は08年6-7月に実施、上場企業や従業員300人以上の非上場企業、860社の経営者から回答を得た。
厚生労働省によると、大学を2005年3月に卒業した就業者のうち、3年目までの離職率は35.9%。3人に1人が入社して3年以内に辞めており、こうした状況に経営者は危機感を高めている。
調査では、どんな施策が新入・若手を含めた社員全体の定着率の向上に効果があるかも聞いた。業務上の課題やその解決方法を上司が助言したりする「人事考課時のフィードバックの充実」が83.4%と最多。「教育研修制度の充実」が82.1%で続いた。
同協会の近田高志次長は新入・若手社員の離職について「採用や教育の費用が無駄になるだけでなく、将来の中核を担う人材が抜けることで企業の成長が思い通りに進まない可能性がある」と指摘。企業側も定着率を高めるためにもう一段の努力が必要と言えそうだ。
(21.1.5 日経新聞 -労働問題- )