社員教育に単位制
社員教育に単位制
三菱電機、基礎知識を全員に
三菱電機は2009年度から、社員の基礎教育を強化するため「単位制」を導入する。電気回路の設計や法律知識など社員が学ぶべき内容を大学の単位のように設定する。
業務を遂行するために必要最低限の技能や知識を社員全員にまんべんなく身につけてもらうほか、各社員が獲得してきた能力を把握しやすくして適材適所の人員配置につなげる。
導入する「単位制」は入社2年目以降の社員が対象。技術系なら電気工学や材料力学、事務系なら営業法規などを社内で通用する単位とする。基本的には業務を通して上司や先輩の指導を受けながら勉強し、上司が単位を認めるかどうかも判断する。必要単位数や内容は社員の経歴によって柔軟に変える。
社員が習得した単位は適切な人員を配置するための判断材料として活用する。ただ大学のように留年などの罰則はなく、社員の学習意欲を引き出し、基礎的な能力を獲得するきっかけとして活用する。
コンピューターを使いこなせても「はんだ付け」など基礎的な手作業ができない理系の学生がいるなど、大学・大学院の教育内容と企業が求める能力との乖離(かいり)が指摘されている。
今後はいわゆる「ゆとり教育」世代の学生が入社してくるため、こうした傾向が強まる懸念もある。三菱電機は優れた人材を育成するため、単位制の導入で企業内の基礎教育を強化する。
(21.1.13 日経新聞 -労働問題-)