工場休業でも契約延長
工場休業でも契約延長
キャノン、期間社員に補償金
キャノンは15日、半導体製造装置を造る宇都宮光機事業所で、2月以降に契約満了を迎える期間社員と契約社員約190人全員に3月から順次、契約期間を6カ月延長した上で休業補償を行うことを決めた。休業状態で仕事はないが雇用を継続し、その間1人平均で月額約15万円を支払う。
雇用状況が悪化している中、当面契約を継続することで社員の生活環境の激変を避ける意味がある。同日から社員に説明を始めた。
それまで働いていた3カ月間の平均賃金の85%を支払う。労働基準法では60%と定められているが上積みする。
現地の物価などを考慮し最低でも14万円を支払う。休業中は、アルバイトなどの他の仕事や次の職探しができる。
また、退職を希望する人には150万円前後の特別退職金を支払う。社員はどちらかを選択でき、休業した人でも1か月ごとに退職を選び退職金を受け取れる。
今後、他の生産現場で雇用調整に追い込まれた場合も、期間社員など直接雇用者を対象に今回と同様の基準で休業手当や特別退職金を支払う方針。
キャノン側と直接雇用関係がない請負会社社員の削減が問題となった子会社大分キャノンのケースとは違う。
同事業所は、デジタル家電に使うシステムLSI(大規模集積回路)などの半導体を造るための装置を製造するキャノンの主力工場。景気悪化で大手電機メーカーからの受注が激減し、08年の販売台数は07年の半分に落ち込む見通しで、現在は月産台数がゼロに近いという。(2009.01.16 朝日新聞-労働問題-)