休業「退職の強要だ」
キヤノン偽装請負 告発組合員
キヤノンの工場で行われていた「偽装請負」を内部告発した労働者らでつくるキヤノン非正規労働者組合は19日、宇都宮市で記者会見した。同社が、景気悪化のなかで宇都宮光機事業所で期間社員らの契約期間の6ヶ月延長と休業補償の方針を示したことを受け、同組合は宇都宮支部の組合員についても3月以降の休業を通告されたことを明らかにしたうえで、「この欺瞞的な休業措置=退職強要に強く抗議する」との声明を発表した。
キヤノンは今月15日、同事業所で2月以降に契約満了を迎える期間社員と契約社員約190人に対し、契約期間を6ヶ月延長したうえで月額平均約15万円の休業補償を行う方針を示した。
このなかに同労組の組合員も含まれており、組合員らは「実際の手取りは9万円ほどとなり、到底生活できない」「正社員と同じようにやってきて、どうしてこうなるのか?」と訴えている。
組合員らは長い人で12年近く同事業所で働いてきた。実態は労働者派遣なのに、形式的には「請負」という契約の下で働かされてきた事実を06年秋に内部告発。栃木労働局は翌07年、労働者派遣法に違反するとしてキヤノンに是正を指導した。キヤノンは組合員らに直接雇用を申し入れ、組合員らは07年10月からキヤノンの「期間社員」となっていた。 (2009.1.19 朝日新聞 -労働問題-)