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「悩みは?」相談員から電話

中小など380社と契約 千代田の会社新サービス


 企業と契約し、従業員の悩みをカウンセラーが聞くサービスを請け負う「セーフティネット」(千代田区)の社長山崎敦さん(64)は、海上自衛隊の幹部自衛官だったころ、3人の部下を自殺でなくした。心の病を早く見つけ、自殺を食い止めたいと8年前に立ち上げた同社は今年2月から、カウンセラーから従業員に電話して、悩みや愚痴を聞くサービスを始める。カウンセリングの常識とされる「待つ」を覆す理由は何か。(大井田 ひろみ)
 
相談 抵抗薄める

 山崎さんは防衛大学校卒業後、海上自衛官になった。大湊地方総監部(青森県)で管理部長をしていた50歳ころ、定年間近だった部下の男性が自殺した。
 それから5年後。最後の職場となった下総教育航空群(千葉県)の司令をしていた時は、2人を相次いで自殺でなくした。2人ともはっきりした原因は分からなっかたが,当時の同僚は10年たっても「なぜ気付いてやれなかったのか」と苦しんでいた。
 山崎さん自身も、弱音を吐けない幹部の立場で多忙な仕事に疲れ切ったことがある。
 「スクーターで帰宅中、突然『いまトラックがぶつかってくれれば、楽になれる』と思ったことがあった。仕事が自分の能力を超えていると感じていたころだった」
 そんな経験をした自衛隊を退職後、知人から「困っている人のための会社を作ったらどうか」と言われたことがきっかけで01年に「セーフティネット」を起業した。
 自前でカウンセリングの担当者を確保するのが難しい中小企業を中心に現在約380社と契約、24時間365日体制で臨床心理士などの資格を持つカウンセラーがよろず相談に応じている。料金は社員一人当たり月300円。1日約100件の電話がくる。
 相談の内容は「家庭問題」が約23%で最も多く、「職場の悩み」の約19%が続く。
 職場の悩みうち4分の1以上が「人間関係」だが、『部下を指導するうえでの悩み」も17%ある。部下への接し方がわからず、うつ病になる管理職もいるという。
 「みんな自分の仕事で精いっぱいで、余裕がない」と山崎さんは分析する。中には電話もかけられず1人で悩んでいる人、電話するほどではないと思っている人も多くいるのでは、と考えた。
 そこで新たに始めることにしたのが「メンタルチェック電話サービス」だ。
 契約企業は「人事異動があった社員」「新入社員」など、心の健康を損なうリスクが高いと思われる集団を選び、ネット社が一斉に連絡を入れる。連絡を受けた社員が上司・同僚に気兼ねなく話ができる場所や時間、携帯番号を知らせるとカウンセラーから定期的に電話がくる仕組みだ。
 対象の社員には年1~4回、「生活には慣れたか」「体調はどうか」などと電話で尋ねる。1度接触すれば、以降は社員が自分から電話することに抵抗を感じなくなったり、悩みや不安がある人を早く見つけ出したりできる効果があると山崎さんは期待する。悩みの内容により提携する医師や弁護士を紹介する。
 料金は社員1人につき1回の相談の電話で3500円。すでに会員契約している企業には2500円で提供する。山崎さんは「企業側に知らせるのは相談件数などだけで、相談者の名前や内容は秘密。安心して本音が言える場所を目指したい」と話している。
 「セーフティネット」への問い合わせは電話03-5293-2601へ。(21.2.2 朝日新聞  -労働問題-)

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