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新「就職協定」要請へ

文科省 内定早期化に歯止め


大学生の就職活動の早期化に歯止めをかけるため、文部科学省は内定時期などに関する大学と企業間の取り決めを明確化する方向で検討に入った。景気の悪化で就職前線が厳しさを増し早期化に一層拍車がかかる可能性も高く、1997年に廃止された就職協定のようなルール作りを検討するため、大学団体や日本経団連などに呼びかけて今夏までに協議の場を設ける方針だ。
 
 大学・企業側  夏までに協議開始

 就職活動は現在、大学と企業の双方が、①大学団体などで作る就職問題懇談会の「申し合わせ」②日本経団連の「倫理憲章」-の二つの尊重に勤める形で行われている。「申し合わせ」「憲章」とも、就職を希望する大学4年生への内定日は10月1日以降としているが、企業の多くが事実上の内定を出すのは4年生になった直後の4月後半。企業によっては3月中に出すケースもあり、企業側の採用活動は実効性のある規制のないまま行われているのが実態だ。
 同懇談会が全国の大学の就職担当者らに調査したところ、「就職活動が前年度より早まった」と答えた大学は06年度から3年連続で5割を超えたほか、今年度は約6割の学校がゼミの日程などに「支障が生じた」と回答した。国立大学協会は「大学3年生が専攻を深く研究する間もなく進路を決めることは、若者の早期離職にもつながる」と危機感を強めている。文部省は「せめて学生が3年生の間は勉学に集中できるようにするべきだ」としているが、法令化はせず、大学と企業の自主規制が望ましいとの立場だ。
 ただ、実効性の確保には課題も多い。96年以前は大学側と当時の日経連などの企業側が結んだ就職協定で、企業のセミナーや面接の解禁日
を8月1日前後と定めていたにもかかわらず企業が2~5月に事実上の内定をだす「青田買い」が横行した。結局、「協定は形骸化しており無意味」との指摘で廃止された経緯がある。
 このため文部省は新ルール作りにあたって企業名の公表など罰則規定を盛り込むように要請することも検討している。(21.2.6 読売新聞 -労働問題-)

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