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逆風下の春季労働交渉

「雇用維持」巡り攻防へ


 世界同時不況で企業業績が悪化するなか、今春の労使交渉が18日、始まった。トヨタ自動車など自動車大手の労働組合は同日、要求書を提出。
 日立製作所など電気大手労組も19日に要求を出し、経営側との交渉に入る。労組は大幅な賃金改善を柱に据えるが、トヨタは厳しい経営環境を理由に4年ぶりにゼロ回答する方針。他の産業でも賃上げ交渉は難航するとみられ、雇用維持を巡る攻防も焦点に浮上している。
 
 自動車大手労組で構成する自動車総連は4千円以上の賃金改善を要求。トヨタ労組は昨年実績を大幅に上回る4千円の賃上げを求めた。労組側は物価上昇による実質賃金の目減りを賃上げで補うことが消費拡大につながると主張している。
 一方、トヨタの小沢哲専務は18日、愛知県豊田市内で記者団に「賃金引き上げどころか、賃金制度維持分(定期昇給分に相当)の確保すら困難」と話した。
 組合側は「(賃金制度維持分が減額となれば)実質的な賃下げだ」(幹部)としている。同社は一時金(ボーナス)で9年間、満額回答してきたが、今年は「満額はあり得ない」(小沢専務)とし、人件費を抑制する考えを示した。

 トヨタや日産自動車は2009年3月期の連結業績が最終赤字に転落する見通しで、ホンダも「経営環境を考えると前年並み回答はできない」(曽田浩取締役)との姿勢。世界的な販売不振の出口が見えないだけに、他の自動車大手の経営陣からも賃上げは困難との声が相次いでおり、「労組要求は常識はずれの水準」(自動車大手首脳)との反発は強い。
 業績不振にあえぐ電機大手でも労使間の溝は深い。電機連合傘下の東芝、日立製作所、パナソニックなどの労組は4千5百円の改善を要求するが、各社の業績悪化は深刻だ。NECが2万人、ソニーとパナソニックが1万5千~1万6千人規模の人員削減を表明するなど、雇用調整の動きは非正規社員から正社員にも広がっている。
 労使交渉の相場形成をリードする自動車、電機大手をはじめ、企業の生き残りと従業員の生活維持、雇用確保を巡って各業界の労使双方で厳しい交渉となりそうだ。(21.2.19 日本経済新聞 -労働問題-)

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