うつ病や自殺 労災基準見直し
うつ病や自殺 労災基準見直し
負荷判断項目追加
「ひどい嫌がらせ」など
厚生労働省は19日、うつ病や自殺の労災認定基準を見直すことを決めた。ストレス強度の評価項目を現状の31項目から43項目に増やし、「ひどい嫌がらせ」「違法行為の強要」などを追加する。同日の専門家検討会が了承。来年度から新基準での認定を始める。
都道府県労働局の労災認定では、うつ病などの精神疾患や自殺が、業務上の心理的負荷が原因かどうかを精神科医3人による合議で決定。その際、従来は「病気やケガ」「重大なミス」「仕事の内容の変更」「セクハラ」などの具体的な出来事の有無を判断材料に、総合判定で弱、中、強の三段階に分類。強の場合、労災に当たるとしている。
同省は新たな判断基準として ・多額の損失を出した ・ひどい嫌がらせやいじめ、暴行を受けた ・非正規社員であることを理由に差別や不利益扱いを受けた―など12項目を追加。総合判定の方法も明確化し、「職場の現状に沿った労災認定ができるようになる」(同省労災補償部)としている。
現行基準は1999年に策定。その後、成果主義の導入や人員削減など、職場環境が大きく変化したことから、同省が昨年12月から基準見直しを進めていた。(21.3.21 日経新聞 -労働問題-)