65歳まで働ける企業10年度末、半数に
-厚生省方針ー年金支給に合わせ-
厚生労働省は2010年度をめどに、希望者全員が65歳まで働ける企業の割合を50%に引き上げる方針を決めた。公的年金の支給開始年齢が段階的に65歳まで引き上げられることを踏まえ、奨励金や助成金を活用して企業に高齢者の雇用機会を確保するよう働きかける。
厚労省が策定する「高年齢者等職業安定対策基本方針」に盛り込み、4月1日に公布する。希望者全員が65歳まで働ける企業の割合は08年6月1日時点で39%。 これまで目標は無かったが具体的な数値を示す。70歳まで働ける企業の割合を10年度をめどに20%に引き上げることも明記する。
厚労省が対応を急ぐのは、06年に施行された改正高年齢者雇用安定法が13年度までに65歳までの雇用確保を企業に義務づけているため。企業は定年の廃止や引き上げ、再雇用のいずれかで対応する必要があるが、国の支援をテコにそうした取り組みを促す。
厚労省は4月から複数の支援策を用意。1つが「定年引き上げ奨励金」の拡充。定年を65歳以上70歳未満に引き上げた企業に40万円~80万円を支給する仕組みだったが、柔軟な勤務時間制を導入した企業には一律20万円を追加する。
また、「高年齢者雇用モデル企業助成金」を導入する。65歳以上の高齢者を外部から新たに雇い入れる取り組みなどをモデル事業として認定し、事業経費の2分の1相当分(上限500万円)を支給する。(日経新聞 -労働問題-)