「新卒諸君、出社に及ばず」1023人
「新卒諸君、出社に及ばず」1023人
自宅待機や入社延期要求
今春、就職を予定していた大学生や高校生らのうち1023人が、内定先の企業から自宅待機や入社日の延期を求められていることが30日、厚生労働省のまとめで分かった。入社前に内定を取り消された学生らも2083人となり、過去最多を記録した。
厚労省は昨年11月から毎月、内定を取り消された学生らの数を調査してきた。だが入社日が近づくに連れ、内定取り消しをする代わりに、入社後に自宅待機などを命じるケースが目立ってきたため、全国のハローワークを通じ、4月23日現在で集計した。
その結果、入社したものの、その後に自宅待機を命じられた学生らは54社の755人だった。待機期間は1カ月以内が31人、1~3カ月が354人、3~6カ月が370人だった。自宅待機は事業主の判断で実施できるが、待機期間中も賃金の6割以上を支払う義務がある。
入社日の延期を求められたのは38社の268人。1カ月以内が103人、1~3カ月が102人、3~6カ月が55人で、6カ月以上も8人いた。延期には内定者との合意が必要で、同省の指針は「事業主は補償などの要求には誠意を持って対応すること」と定めている。
一方、08年度に内定を取り消されたのは2083人で、前月調査より238人増えた。(朝日新聞 -労働問題-)