社内交流で人材育成
部署超えた場 設ける リクルート エージェント
人材紹介のリクルートエージェント(東京・千代田)は社内の人材を育成する「寺小屋」事業を本格展開する。社外講師による講演で社員の視野を広げるほか、社長や役員、社員が肩書をを超えて5~10人規模でコミュニケーションする非公式の場を設ける。景気低迷で人材紹介市場が冷え込む中、社内の連携を強化し、新規事業のタネや自発的な働き方を見つけるきっかけにする。
事業戦略支援部門に昨年春、「ちゑや」という企画運営の担当部署を設置。横浜や大阪の支社など7カ所で昼休みや業務後に自由参加のイベントを開催したところ、社員の3分の1が参加するなど好評だったことから業務の拡大を決めた。
社内でも一目置かれるような社員に新人時代の失敗を語ってもらう「寺小屋」やヨガなど同じ趣味の仲間が集まる「よろず茶屋」など、部署を超えて社員が出会う場を設ける。3月に開設したインターネットの社員専用サイトで参加者の感想ブログも展開する。
同社の社員数は1800人。組織の急拡大に伴い低下した社内コミュニケーションを補うのが当初の狙い。ところが昨年からの不況で顧客企業からの求人が急減。年代を超えて知恵やスキルを持ち寄り、仕事の課題や私生活も含めた相談ができる場を増やす。社員のモチベーションを高め、不況後を見据えた新規事業開発などにつなげる。(日本経済新聞-労働問題-)