未払い賃金、国の立て替え
248億円、3年連続増 昨年度
倒産の増加を背景に、企業の未払い賃金を国が立て替え払いする額が増えている。厚生労働省のまとめによると、2008年度の立て替え払い額は前年度比6%増の約248億円で3年連続で増加した。相次ぐ労働者の立て替え払い申請を受け、厚労省は倒産企業の資産調査などをする職員を増員する方針だ。
倒産で賃金を受け取れない労働者を救うため国は未払い賃金の一部を立て替えている。立て替え払いを希望する労働者は裁判所や労働基準監督署などへ未払い賃金額の証明を申請する必要がある。裁判所や監督署は倒産企業の資産状況を調べ、未払い賃金額を確定。これを受け、国は原則として未払い賃金総額の8割を立て替える仕組みだ。
08年度に立て替え払いを受けた人数は前年度比6%増の5万4422人。対象企業数は3639で前年度比約9%増え、従業員30人未満の中小企業が全体の約8割を占めた。昨秋以降の景気後退で下期の立て替え払い額が多かった。下期は約138億円で上期と比べ約27%伸びた。
(日経新聞 -労働問題-)