「男女差別賃金残る」昭和シェルに慰謝料命じる
「男女差別賃金残る」昭和シェルに慰謝料命じる
女性であることを理由に賃金差別を受けたとして、昭和シェル石油(東京都港区)の社員らと遺族計13人が93~08年分の差額賃金など約5億5千万円の支払いなどを求めた訴訟の判決で、東京地裁は29日、慰謝料など約4900万円の支払いを同社に命じた。
同社の賃金差別をめぐっては、最高裁で1月、男女差別を認め、退職者の女性に91~92年分の差額賃金など約2千万円を支払うよう同社に命じた判決が確定した。同社は00年に人事制度を「能力主義、成果主義」の制度に変更。今回の訴訟では、新制度でも賃金差別が認められるかが争点となった。渡辺弘裁判長は、新制度でも「男女間の差別的な取り扱いが残存、継続しているといえる」として、男女同一賃金を定めた労働基準法に違反すると認めた。慰謝料として1人当たり230万~690万円の損害を認めた。
(朝日新聞 -労働問題-)