休業補償支給額国の判断「誤り」
石綿被害で地裁判決
30年以上にわたり工事現場の石綿(アスベスト)を吸って肺がんになったのに、適切な休業補償が支給されないとして、相模原市の男性が国を相手に、相模原労働基準監督署による処分の取り消しを求めた訴訟の判決が30日、横浜地裁であった。深見敏正裁判長は「処分は判断を誤ったというべきだ」として、処分取り消しを命じる判決を被告の国に言い渡した。
判決によると、男性は1955年~87年、電気配線作業員として働き、その後、会社を設立して取締役に就任。04年8月に肺がんと診断された。男性は肺がんになったのは工事現場の石綿が原因だとして休業補償を請求。相模原労基署が、作業員時代の基準より低額の取締役就任後の基礎額で支給を決定したため、男性が提訴していた。(朝日新聞 -労働問題-)