ニート64万人 フリーター170万人
ニート64万人 フリーター170万人
ニートの若者(15~34歳)は総務省の調べなどで国内に64万(2008年)いるとみられる。この数は02年以降ほとんど変わっていない。パートやアルバイトで生活するフリーターは170万人(同)だ。
ニートやフリーターが多くなったのには、様々な要因がある。まず1990年代以降の不景気によって、多くの会社が、学校を卒業した若者の採用を減らした。そして社員採用に関する考え方を変えた。以前は若い社員を正社員として採用し、時間をかけて育てることが普通だった。しかし正社員を減らし、人手が必要なときに一時的なパートやアルバイトを雇うようになってきた。その結果、若者が正社員として働くことが簡単ではなくなった。
一方、若者が家族の生活のために無理しても働かなければならないというケースが以前より少なくなっている。職業選びに自由度が増し、かえって自分の進むべき道に迷う若者が増えたことも関係がありそうだ。
ニートやフリーターが安定した仕事に就けるよう、政府は様々な対策を試みている。雇った会社に補助金を支給したり、ニートを訪ね就労に関する情報を届けたりしている。
労働政策研究・研修機構の小杉礼子統括研究員は「小中学生なら、学校が企画する社会学習や職業体験に積極的に参加して、いろいろな大人と接してほしい。その経験が、将来の仕事を考えるきっかけになることもあります」と話す。(読売新聞 -労働問題-)