要介護認定 不利な判定 再申請を
厚労省 基準緩和で呼びかけ
厚生労働省は1日、今年4月から9月までに要介護認定を申請し不利な認定を受けた高齢者に対し、もう一度申請をするよう勧める方針を決めた。市町村を通じ再申請を促す。厚労省は今年4月に要介護の認定基準を厳しくしたが、10月にはこれを緩和している。再申請を促すことで、厳しい判定を受けた高齢者の救済へとつなげる。
4月の認定基準見直しに伴い、一部では従来の要介護認定より軽く判定される傾向があることが判明した。このため10月から基準を緩和したが、4月から9月に申請した人は不利益を被っている可能性があると判断した。
厚労省の推計では4月以降、新たに要介護認定の申請をした高齢者は約65万人いる。介護が不要の「非該当」と判定されたのは約3万3000人で、うち従来の基準より軽く判定された可能性のある高齢者は約1万6500人に上るとみている。
厚労省は「不当に軽く判定された」などと苦情を寄せた高齢者も含め再申請を促していく。さらに10月申請分の認定結果に関する調査を12月に取りまとめる。(日経新聞 -労働問題-)