年金から住民税天引き
年金から住民税天引き
あすから開始 すでに苦情も
15日に支給される公的年金から住民税が天引きされる。今年度新たに導入されたもので、住民税の納付義務がある人に限られる。昨春、後期高齢者医療制度(後期医療)の保険料が天引きされた際は、高齢者が強く反発したことから、市町村は納付方法の変更の周知に力を入れるが、すでに苦情が寄せられている。
総務省によると、天引きが始まるのは公的年金受給者約2800万人のうち、2割強にあたる約650万人。これまでは口座引き落としなどで納付していたが、10月からは年金から天引きされる。
「後期医療で混乱したので、『とにかく広報をしっかりする』ことを最重視した」というのは名古屋市。1月以降、市内すべての老人クラブなどの会合に職員が出向いて説明し、市の広報に2度掲載した。市内11万人の対象者には6月の納税通知書にお知らせを同封、今月1日に改めてお知らせを郵送した。10月のお知らせを受け取って、「どういうことなのか」という問い合わせが増えたという。
長妻昭厚生労働相は13日の会見で、「我々鳩山政権としては、年金の信頼回復を、何としても実現する」と述べ、天引きに理解を求めた。(朝日新聞 ―労働問題―)