定年後の継続雇用 最低
09年厚労省調査 不況響き70%
景気低迷が高齢者雇用に影響を及ぼしている。
厚生労働省が20日まとめた60歳以上の雇用状況調査によると、定年齢到達予定者のうち「継続雇用」の割合(従業員51人以上)は2009年6月1日時点で70,4%と前年比2,9ポイント低下し、前年と比較可能な調査を始めた06年以降で過去最低となった。足元の収益悪化などから、雇用に慎重になっている企業が増えつつあるようだ。
継続雇用予定者数は29万7325人。前年に比べ1万8927人減った。雇用が継続されるかどうか「未定」と答えた企業従事者の割合は全体の9,0%と3,0ポイント上昇。厚生省は「景気後退の影響もあり得る」と指摘する。
一方、希望者全員が65歳以上まで働ける企業の割合は1,4ポイント上昇し、40,4%。60~64歳の常用労働者数は142万人と13万人増、65歳以上も54万人と5万人増えた。
06年の改正高年齢雇用安定法の施行で、国は企業に65歳まで働ける制度の導入を段階的に義務付けた。中小を中心に高齢者の業務経験を生かす動きがひろがっていることも常用労働者数の増加につながった。ただ企業の雇用調整圧力はなお強く、今後の景気動向次第では高齢者の雇用環境が悪化する可能性もある。
調査対象は従業員数が31人以上の企業13万6605社。前年までは51人以上の企業を対象にしていた。
(日経新聞ー労働問題ー)