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「夫は過労死」投稿⇒支援受け労災認定

「夫は過労死」投稿⇒支援受け労災認定

 「冷たい世です/でも生きねば」。朝日新聞声欄に2年前の夏、43歳の夫を自殺で亡くした妻の投稿が載った。過労死と確信しているが、労災認定は難しいと言われた。失意のなか、子どもの存在を頼りに自身を励ます一文が、支援団体の目にとまり、労働基準監督署を相手に1年9カ月にわたって粘り強く交渉15日までに、妻のもとに労災認定の通知が届いた。
 労災が認められたのは、山梨県富士河口湖町の山梨赤十字病院に勤めていた故小松重樹さん。調理師として12年勤務した後、介護部門に異動して1年9カ月たった07年4月、早朝出勤した職場で、自ら命を絶った。
 通所リハビリ施設での、送迎や入浴介助、介護保険の報酬請求事務や経理など、なれない仕事が続いていた。疲れ果てて夜遅く帰宅し、居間のこたつで寝入ってしまう様子を、間近で見守っていた妻の優子さん(47)は、夫の自殺は長時間の過重な労働が原因だと確信。都留労基署に相談したが、「難しい」との返答に申請すらできなかった。
 2007年7月20日長官の声欄に載った投書を読んだのは、労災被害者の支援団体「いのちと健康山梨センター」の保坂忠史事務局長。朝日新聞を介して連絡を取り、本人の日記やタイムカード、知人らの証言などをもとに「長時間労働と過重業務により、うつ病を発症し、自殺に至った」と主張。これが認められた。
 優子さんは「投書が縁で支援団体につながり、夫の自殺は仕事に追いつめられたのが原因だと認められた。本当にうれしい」と話した。(朝日新聞ー労働問題ー)

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