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「氷河期ほど採用減らず」

企業、必要な人材は確保
 
 景気悪化を受けて就活学生は焦りを募らせているが、調査機関などの間では「11年春卒の採用は就職氷河期と呼ばれた00年代前半ほど悪くならない」との見方が多い。採用活動そのものを止める企業が急増したバブル崩壊後に比べ、今回は企業が「採用人数は抑制するが、必要な人材は確保する」という姿勢を保っているからだ。

 雇用関連の調査などを手がけるリクルートのワークス研究所によると、大卒求人倍率が最悪だったのは0.99倍と、1倍を割り込んだ00年春卒。「厳しい」といわれた10年春卒も求人倍率は1.62倍と過去20年間の平均的な水準。11年春はこれを下回るが、00年春ほどには落ち込まない可能性が高い。

 業界関係者の間では「(11年春卒の求人倍率は)10年春卒より下がるが、1倍割れにはならない」(大手就職情報サイト編集長)との見方が多い。ただし、団塊世代の大量退職を受けて企業の新卒採用が増加した08~09年春卒に比べると、採用の門戸は狭くなる。

ワークス研究所が民間企業を対象に実施した調査では、11年春卒の新卒採用数の見通しを「わからない」と答えた企業が前年より11.5ポイント上昇、36.6%にのぼった。一方、「増える」「変わらない」「減る」と答えた企業はいずれも前年より減少した。

「景気の先行きが不透明な中で『(採用数の見通しが)わからない』というのは企業の本音だろう」(リクナビの毛利威之編集長)。景気動向をにらみ、ぎりぎりまで採用枠を固めない企業が増えれば、前倒しで始まった11年春採用の就活は異例の長期戦になるかもしれない。(日経新聞 -労働問題-)

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