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中小企業求人6000人あります

中小企業求人6000人あります


    社員「やりがい知って」経産省、1400社1冊に


 職を失う人が増えている一方で、中小企業の求人は「仕事がきつい」とういイメージから敬遠されがち──。こんな行き違いをなくそうと、経産業省は採用意欲を持つ約1400社の情報をまとめた冊子をつくり、ネット上でも公開した。「人材育成に優れた企業を掘り起こした」という。
 冊子は、各都道府県別に企業を紹介。何をつくっているか、どんなサービスをしているかといった企業の概要紹介に加え、人材育成方針なども記載。社長や社員の顔写真とともに「他企業にはまねできない製品製造に携われるのがやりがい」「店の常連のお客様に顔と名前を覚えていただけたときはうれしかった」といった生の声も載せている。具体的な求人数や勤務条件などは記載しておらず、各社に問い合わせる必要がある。求人数は合計では約6千人という。
 全国のハローワークやジョブカフェに置くほか、経産省ホームページでも見ることができる。経産省は、業種や勤務条件だけでは見えない企業の魅力を伝え、新たな雇用につなげたい考えだ。
(20.3.2 朝日新聞 -労働問題-)

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秘密漏えい 企業側に罰則無し

秘密漏えい 企業側に罰則無し

 内閣府が2007年に全国約3000社を対象に行った調査によると、社内に内部通報窓口を設置している企業は全体の4割、大企業では9割に上っているが、実効性については疑問視する声が少なくない。
 内閣府の調査に答えた企業の窓口担当者のうち、18%が「社員に『本当に保護するのか』と不信感をもたれている」と回答。年間通報件数も「ゼロ」が43%、「1~10件」が40%だった。
 公益通報者保護法は、証拠隠滅の恐れがある場合など例外を除き、いきなり報道機関など外部に告発しても保護対象にはならない規定となっている。
 一方で、社内で秘密が守られず不利益を被っても、企業に科せられる罰則はなく、「不満分子を見つけ出す監視制度として悪用されかねない」と指摘する意見もあった。同法に詳しい森岡孝二・関西大学教授(企業社会論)は「企業に対する罰則を設け、外部通報の要件を緩和するなど法改正が必要だ」と話している。
(21.2.27 読売新聞 -労働問題-)

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国民年金納付率 80%目標を維持

社保庁、09年度 実績には遠く

 厚生労働省は24日、社会保険庁が2009年度に達成すべき目標を社保庁長官あてに通知した。国民年金保険料の納付率は前年度の目標と同じ80%を維持したが、実績にはほど遠く現実離れした目標との批判を浴びそうだ。
 
 国民年金保険料の納付率は1990年代半ばまで80%台だったが、年金制度への不信感などから02年度に62%台まで低下。徴収体制の強化によって納付率向上を目指しているが、07年度は2.4ポイント低下の63.9%にとどまった。
 08年度も年金記録漏れ問題への対応に人員を割いたことから強制徴収の効果がうまくあがっていない。11月末時点で59.9%と前年の同じ時期を1.8ポイント下回っており、目標の80%の達成は困難な情勢だ。

 国民年金は20歳以上60歳未満の自営業者やパート労働者が加入し、保険料を猶予・免除されない限り納付義務が発生する。対象はおよそ2100万人。納付率目標80%は公的年金の財政検証の前提にもなっている。(21.2.26 朝日新聞 -労働問題-)

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派遣会社、正社員切り

需要減、「管理者だぶつく」


 不況で次々と派遣社員が解雇されて仕事が減った分、派遣会社では正社員も「肩たたき」に遭っている。派遣事業をやめる業者も増え、右肩上がりだった業界にかげりが見えている。
 
 年の瀬も押し迫った昨年12月下旬、大手派遣会社の東日本にある事業所に勤める20代の男性社員は、同僚と一緒にオフィスに集められた。上司は「派遣社員を管理する担当者の数がだぶつきます。手を挙げるのは自由」。希望退職者募集の宣告だった。「残っても、肩たたきになる可能性は高いよ」
 担当している製造業数社の派遣社員の数は、ピークの昨年9月ごろは200人弱いて、さらに毎週、派遣の要望が確実にあった。入社の付き添い、寮の開設、給料の管理など、忙しいころは1日20時間、土曜の休みを返上して働いたこともあった。それでも「残業手当も深夜手当ても出なかった」と言う。
 取引先からの派遣希望は9月以降どんどん減り、やがてなくなった。解雇も進み、担当する派遣社員は約100人に。それも3月末までには7割ほどになる見込みだ。
 「確かに派遣社員が減ると、管理する人もいらなくなりますよね」。自嘲気味に話した。

 希望退職に応じるか、ずっと悩んだ。妻も子どももいる。ただ派遣法の改正も議論され、製造業派遣は今後、どうなるかわからない。「この業界に先はない」と思い定め、退職を決めた。
 これまでに約20人の派遣社員に解雇を言い渡した。「自分も希望退職に応じるんです」と言うと「あなたも大変なんですね」と話がスムーズに進んだ。皮肉なものを感じたという。
 3月に受け取る退職金は約100万円。それを元手になにかできないか。先のことはまだ決めかねている。

 この男性が勤める派遣会社の広報担当によると、正社員の希望退職募集は、現在検討中の営業拠点の統廃合や、人員削減計画の一環として始めたという。

 約800社の派遣会社が加盟する業界団体、日本人材派遣協会の調査によると、昨年10~12月に製造業で働いた派遣労働者数は前年同期の86.3%。減少したのは、製造業への派遣が解禁されてから初めてだ。派遣労働者の約4分の1が製造業に従事しており、業界全体が苦境に立つ。

 派遣会社は登録制で、新規に営む場合や廃止するときには厚労省に届け出が必要だ。04年12月には約2万8千だった事業者数は、08年12月に約8万1千にまで伸びたが、昨秋の「リーマン・ショック」以降は、派遣業を辞めたり、登録を更新しなかったりした事業者が大きく増えた。厚労省の統計などによると、昨年10月には381件。07年10月の127件を大きく上回った。12月も230件で、07年12月の102件の倍以上だ。

 協会の松田雄一専務理事は「製造業を中心に派遣労働者のニーズが減って事業所あたりで管理する人数が激減し、合併や廃止が相次いでいる。派遣会社は福祉や一次産業などの人手不足の業界に新しい求人を開拓しているが、求職者が職種を変えるのを嫌って、人が集まらないという状況もある」と話している。
(21.2.25 朝日新聞 -労働問題-)

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大手銀・生保 新卒採用は高水準維持

大手銀・生保 新卒採用は高水準維持


 バブル後抑制→中堅不足、教訓に


 景気の急降下で「就職氷河期」が再来する中、大手銀行や生命保険会社などの金融機関は、平成22年春の新卒採用について高水準を維持する。みずほフィナンシャルグループ(FG)や三井住友銀行では21年春から削減するが、1000人超の採用を予定し、りそなホールディングスは増やす方針だ。前回のバブル崩壊後の不況時に一斉に採用を抑制し第一線を支える中堅社員が不足する事態を招いた反省を踏まえ、経営環境が厳しさを増す中でも極端な採用抑制は避ける。

 みずほFGは、持ち株会社と傘下の銀行、証券の合計で今春の採用予定数(2350人)に比べ26%減の1750人を採用する方針。内訳は総合職に当たる基幹職が900人、一般職に当たる特定職が850人を予定している。
 三井住友銀行も今春から半減となるが、1100人の大量採用を続ける。三菱東京UFJ銀行は、今春の1500人よりは減らす方向で、検討中だ。
 個人向けサービスの強化を急ぐ、りそなホールディングス(HD)は、「見直す可能性もある」としながらも、今春の850人から900人程度に増やす計画。住友信託銀行は今春並みを予定している。
 大手生保でも明治安田生命が今春と同じ550人を予定。住友生命保険は今春より減らすが、240人を採用する方針。

 大手行は、バブル崩壊後の不況時に不良債権処理を優先し新卒採用を絞り込んだ結果、人員構成にひずみが生じ、業績が回復した18年以降、過去最高水準の大量採用を続けてきた。ただ、新人を教育する中堅が不足するなど採用抑制のツケが問題になっている。大手銀行6グループの21年3月期決算は、不良債権処理の増大などで最終利益の合計が前年同期比70.5%減の大幅減益となる見込み。業績は急激に悪化しているが、競争激化に勝ち残るためのサービス強化を図る上でも、高水準の採用維持が必要と判断した。
 生保業界でも、保険金の不払い問題を契機に、サービスの質向上を迫られており、必要な人員は確保していく考えだ。(21.2.24 産経新聞 -労働問題-)

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「意識変革」へ専用研修

「意識変革」へ専用研修


    富士フィルム、まず課長級


 富士フィルムは部長・課長など管理職の「変革意識」を高めるための専用研修を導入した。まずは国内外の課長級の全社員約1200人が受講し今後、部長級にも広げる。
写真フィルムから医薬などに多角化する構造改革を加速するには、中核となる管理職の意識変革が欠かせないと判断した。
 研修名は「チェンジ・マネジメント・プログラム(CMP)」。2泊3日の集合研修を実施した後、半年後、1年後に各自の行動を精査する。課長級の全社員が対象で、複数に分けて段階的に実施する。
 研修は 5、6人のチーム討議や経営陣との対話が中心になる。課長職の役割などを再認識し、自己変革のきっかけを与える狙い。職場で社員のやる気を引き出すマネジメント理論なども学ぶ。部長級を対象とした「変革推進CMP研修」も月内に導入する。約200人の部長が受講し、部下との接し方などを学ぶ。(21.2.23 日経新聞 -労働問題-)

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資格職員多い事業所に加算

             障害者サービス報酬

 厚生労働省は20日、障害者に福祉サービスを提供した事業所に支払われる報酬いついて、4月からの改正案を公表した。06年の障害者自立支援法の施行後、初めての改定。全体で5.1%引き上げ、介護福祉士が基準以上いる事業所への加算を設けるなど、職員の待遇改善とサービスの質の向上を図る。
 改正案では、居宅介護など訪問系サービスを提供する事業所が計画的な研修体制を整え、介護福祉士を30%以上雇用している場合、報酬を10%加算する。(21.2.21 読売新聞 -労働問題-)

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逆風下の春季労働交渉

「雇用維持」巡り攻防へ


 世界同時不況で企業業績が悪化するなか、今春の労使交渉が18日、始まった。トヨタ自動車など自動車大手の労働組合は同日、要求書を提出。
 日立製作所など電気大手労組も19日に要求を出し、経営側との交渉に入る。労組は大幅な賃金改善を柱に据えるが、トヨタは厳しい経営環境を理由に4年ぶりにゼロ回答する方針。他の産業でも賃上げ交渉は難航するとみられ、雇用維持を巡る攻防も焦点に浮上している。
 
 自動車大手労組で構成する自動車総連は4千円以上の賃金改善を要求。トヨタ労組は昨年実績を大幅に上回る4千円の賃上げを求めた。労組側は物価上昇による実質賃金の目減りを賃上げで補うことが消費拡大につながると主張している。
 一方、トヨタの小沢哲専務は18日、愛知県豊田市内で記者団に「賃金引き上げどころか、賃金制度維持分(定期昇給分に相当)の確保すら困難」と話した。
 組合側は「(賃金制度維持分が減額となれば)実質的な賃下げだ」(幹部)としている。同社は一時金(ボーナス)で9年間、満額回答してきたが、今年は「満額はあり得ない」(小沢専務)とし、人件費を抑制する考えを示した。

 トヨタや日産自動車は2009年3月期の連結業績が最終赤字に転落する見通しで、ホンダも「経営環境を考えると前年並み回答はできない」(曽田浩取締役)との姿勢。世界的な販売不振の出口が見えないだけに、他の自動車大手の経営陣からも賃上げは困難との声が相次いでおり、「労組要求は常識はずれの水準」(自動車大手首脳)との反発は強い。
 業績不振にあえぐ電機大手でも労使間の溝は深い。電機連合傘下の東芝、日立製作所、パナソニックなどの労組は4千5百円の改善を要求するが、各社の業績悪化は深刻だ。NECが2万人、ソニーとパナソニックが1万5千~1万6千人規模の人員削減を表明するなど、雇用調整の動きは非正規社員から正社員にも広がっている。
 労使交渉の相場形成をリードする自動車、電機大手をはじめ、企業の生き残りと従業員の生活維持、雇用確保を巡って各業界の労使双方で厳しい交渉となりそうだ。(21.2.19 日本経済新聞 -労働問題-)

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ワークシェア各社各様

 派遣削減 さらに時短 正社員・パート同待遇

 不況の中、雇用維持のために仕事を分け合う「ワークシェアリング」に踏み切る企業が出始めた。目につくのは、非正社員の削減だけでなく、正社員の労働時間を短くし、賃金もカットして急場をしのぐ「緊急対応型」。一方、子育て中の主婦など個々の事情に合わせて働き方を選ぶ「多様就業型」に取り組む企業もあるが、簡単に普及しそうにない。スマートな言葉の響きとは裏腹に、定着までに一方ならぬ苦労があるようだ。

◆緊急対応型
 「雇用を守るには他に選択肢はなかった」。富士通労働組合の山形進委員長は厳しい表情でそう語る。
 富士通の半導体子会社「富士通マイクロエレクトロニクス」(東京)は先月、国内3工場の正社員約5000人のうち、製造部門の社員の労働時間を3分の2にし、賃金も下げた。グループ全体で派遣社員550人を3月までに削減予定で、役員報酬もカットするが、「まだ不十分」(富士通の広報担当者)と、正社員の時短に踏み切ったのだ。
 派遣社員1600人、期間従業員400人の削減を決めたマツダ。先月には2工場で夜間操業を中止し、正社員の労働時間と給料を減らした。労組幹部は「我慢するしかない、というのが組合員の声」と話す。

◆多様就業型
 データ入力・加工会社「エス・アイ」(兵庫県姫路市、従業員約70人)では1991年の設立当初から残業をなくし、月168時間を上限に自由に出退勤できる制度を導入した。
 当初は、作業効率を上げるため、正社員の残業分をパートに担ってもらうのが目的だった。しかし、正社員は月給制で、パートは時給制。給与差から両者に溝ができ、職場の雰囲気が悪くなってしまったという。
 そこで、97年から3年かけて正社員の給料を時給制にし、パートも正社員も同じ評価基準で昇給を決めた。「優秀なパートにいかに残ってもらうか。同じ給与体系にしたのが成功のポイント」と社長の今本茂男さんは振り返り、「正社員とパートの意識の差を埋めるのが難しかった」。子育て中の母親や障害者の雇用も生み出す形となり、「不況対策ではなく、家庭と仕事の両立という視点でワークシェアリングを考えるべきだ」と話す。自治体や大学教授らの視察が相次いでいるという。
 厚生労働省では、ホームページに短時間勤務制度を紹介するコーナーを昨年12月に解説。3月までにマニュアルも作る。担当者は「不況対策に直結しないが、潜在雇用を生む効果はある。マニュアルで、どんな業種でも導入可能だということを訴えたい」と話す。(21.2.18 読売新聞 -労働問題-)

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外国人研修生の待遇改善、最低賃金など保障

外国人研修生の待遇改善、最低賃金など保障


   法務省方針


 低賃金労働の温床との批判が根強い「外国人研修・技能実習制度」をめぐり、最低賃金法や労働基準法の適用拡大で研修生を保護する制度改正を法務省が検討していることがわかった。「就労研修」という在留資格を創設し、入国後早期に労働法令適用の対象にすることが柱で、今国会に提出予定の入管法改正案に盛り込む方針だ。

 現在は1年目の在留資格「研修」では労働法令が適用されず、技能実習(2、3年目)から適用される。改正案では1年目の在留資格を「就労研修」とし、2ヵ月の座学の後は労働法令を適用する。
 研修・技能実習制度は、発展途上国に日本の技術を移転することが本来の目的だが、安価な単純労働力として利用されているとの批判が多い。
 特に、研修手当が月6万~7万円程度で時間外や休日の研修は禁止されている1年目の研修生が、長時間の「残業」を強いられるケースも少なくないと指摘されてきた。改正案では、研修生にも最低賃金や残業代を保障することで、待遇改善を図る。

 中小企業団体など受け入れ団体を通じて研修生を受け入れている企業への罰則も強化する。関係省令の改正で、賃金不払いや旅券取り上げなど重大な不正行為をすれば、5年(現行は3年)新規受け入れを認めない。受け入れ団体に対しても、月1回は企業を訪れて研修状況を確認させるなど、指導を強化する。

 この制度に関して、単純労働力の受け入れに消極的な厚生労働省は3年間の実習に一本化し、高度な技能検定を義務づけるなど、実習としての実効性を確保する改革案を公表している。一方、自民党プロジュクトチームは昨年7月、現行制度を廃止し、最長3年の「短期就労」を認める制度を提言。労働者としての受け入れ促進と権利保護を図る考えを示している。(21.2.16 朝日新聞 -労働問題-)

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「障害者を雇う施設に発注を」

厚労省、自治体に通知


 障害者の雇用情勢が悪化しているとして、厚生労働省は12日までに、障害者を多数雇っている事業所や福祉施設に物品や業務を積極的に発注するよう、全国の地方自治体に通知した。
 同省は通知で、障害者の多い事業所や福祉施設が扱う商品やサービスを十分に把握するよう要請。文具などの物品、クリーニングや清掃などの業務を優先的に発注するよう求めている。
 障害者雇用を巡っては昨年秋以降、解雇が倍増するなど環境が急激に悪化。同省は今月6日、「障害者雇用維持・拡大プラン」を策定して対策強化に乗り出し、10日には日本経団連に雇用の維持拡大などを要請した。
 同省は「民間に雇用確保をお願いする以上、行政も率先して取り組んでほしい」と話している。
(2009.2.13 日本経済新聞 -労働問題-)

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ワークシェア企業に助成

ワークシェア企業に助成


   政府・与党方針 雇用調整金を活用


 政府・与党は雇用対策として、従業員の労働時間短縮で新たに失業者を雇う形態「ワークシェアリング」(仕事の分かち合い)を実施する企業に財政支援する方針を固めた。この形態は労使双方の慎重意見で導入が進んでいないが、政府は失業者救済に有効な手段だと判断し、財政支援で導入を促すことにした。

 具体的には、時短に伴う賃金の引き下げ分を助成する。これにより、企業は新規雇用を行いながら、実質的に人件費抑制につなげることが可能となる。助成金は、解雇防止のために従業員を休業・出向させた企業に休業手当などを助成する「雇用調整助成金」の適用範囲を拡大して確保する案が有力だ。雇用調整助成金は企業が払う雇用保険の保険料で運営され、資金の残高は2007年度決算で約1兆700億円に上る。適用条件緩和は厚生労働省令の改正で対応でき、法改正は不要で、与党は迅速な対応が可能と見ている。
 新たな助成制度導入に際し、新規雇用者の賃金を著しく引き下げ、助成額との差額獲得を狙う悪質な企業が出ることを防ぐため、企業に「ワークシェアリング計画」策定を義務づけ、ハローワークで審査するなどの案も浮上している。
 与党は「新雇用対策プロジェクトチーム」(座長=川崎二郎・元厚労相)で、政府側と詳細な制度設計を詰める。
 ワークシェアリングに関しては、労働組合側に「正社員の賃下げになる」との意見があり、経営側も「労働管理が煩雑になる」などと、二の足を踏む傾向が見られる。
 導入企業への財政支援としては、02年度から04年度までの時限措置で、「緊急雇用創出特別奨励金」を設けた例があるが、「半年以内に社員を解雇していない」などと条件が厳しく、3年で4件の適用しかなかった。このため、今回は条件を緩める方向だ。(21.2.12 読売新聞 -労働問題-)

※ワークシェアリング
①従業員1人あたりの労働時間を減らし、企業内の雇用を維持する「緊急避難型」
②失業者を新たに雇うために国や企業単位で労働時間を短縮する「雇用創出型」
③育児中の人や高齢者のための半日勤務など、様々な短時間労働を設けて雇用を増やす「多様就業対応型」

緊急避難型は人件費抑制策だとして批判する立場から、欧州などで見られる雇用創出型が本来の定義だとする意見もある。厚労省は緊急避難型に雇用調整助成金を適用しており、今月から条件も緩和した。今回、政府・与党が支援する方針を固めたのは雇用創出型。

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障害者雇用拡大を要請

障害者雇用拡大を要請


   経団連に厚労省


 厚生労働省は10日、障害者の雇用情勢が悪化しているとして、日本経団連に障害者雇用の維持・拡大などを要請した。同日、渡辺孝男厚労副大臣が経団連を訪れ、川本裕康常務理事に要請書手渡した。
 要請書で同省は現在、就労中の障害者の雇用を守ることのほか、新たな雇用の促進・特別支援学校の卒業予定者の採用や職場実習の受け入れ・障害者を多く抱える事業所や福祉施設への発注確保を求めている。
 同省によると、昨年11月以降、障害者の解雇件数は通常百数十件だったのが二百数十件に倍増したという。(21.2.11 日経新聞 -労働問題-)

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「会社の将来に不安」1位

「会社の将来に不安」1位


      転職した理由は・・・


 リクルートが転職者に聞いた意識調査で、勤務先の業績不安などから転職を決めた人が最多だったことが分かった。「急激な経営環境の悪化を受け、倒産懸念など必要に迫られた転職者が増えている」と同社は分析している。

 転職サイト「リクナビネクスト」で昨年11月12~26日に実施、609人が回答した。同調査は初めてだが、リクルートの別の調査(2006年)と比較すると、転職の理由として「会社の将来性や方向性への不安」(17.3%)が4位から1位へ浮上。好況期に多い「賃金への不満」は、06年は1位だったが今調査では4位に下がった。

 「景況が転職に影響した」と答えた人は33.8%に達し、不況で転職を決意した現実が浮かび上がった。一人当たりの応募社数は2~5社が29.9%と最も多く、次いで6~10社が25.6%。「求人数が減り、受かりにくいため応募社数が増える傾向がある」(同社)という。(21.2.10 日経新聞 -労働問題-)

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傷病休職からの復帰

傷病休職からの復帰


   「君の戻る場所ない」と言われたら


 休日に交通事故で大けがを負ったAさんは、会社の休職制度を利用しました。休職期間が終わりに近づいて体調も回復。主治医からは職場復帰できると診断されました。ところが、上司は「君の戻る場所はない」。大変なショックを受けています。
 こうした休職から復帰する際のトラブルが、後を絶ちません。就業規則などで「休職期間満了時点で復職が困難な場合、解雇または退職扱いとする」と定める企業が多く、企業側もそれを安易に使っている、と考えられます。Aさんのように主治医の診断がある場合、これを無視し、何も調べずに退職扱いにすることは許されません。
  
 復職の際、会社が産業医など指定する医師の診断を命じることも多くあります。指定医の診断は重く、受診が就業規則などで復職条件として明記されている場合はもちろん、明確な根拠がなくても、合理的な理由なく拒否すると懲戒処分になるともあります。対応を弁護士に相談することをお勧めします。
 ただ、体調を最もよくわかっていると思われるのは主治医です。主治医とよく話し合い、診断書に加えて望ましい業務内容、労働時間、復帰の際に必要な配慮の内容など、具体的な復帰条件について意見書を書いてもらうことをぜひお勧めします。医学的かつ客観的な根拠を具体的に示すことが、会社との交渉で大きな力になります。

 完全に体調が回復せず、休職前と同じ業務はできない場合、会社は就労を拒否できるでしょうか。最高裁は、「他に就労可能な業務があり実際にも配置が可能で、かつ本人がその就労を申し出ている場合、復帰の拒否は許されない」と述べています。また、「休職終了後の2~3ヵ月後に完全な復帰が可能と考えられる」として退職扱いを無効とした例や、復帰準備期間を提供しない解雇を無効とした例などがあります。

 08年施行の労働契約法第5条は「使用者の安全配慮義務」をうたい、同法第3条4項は「義務は信義誠実に履行されるべきだ」と定めます。会社は、「可能な限り配置転換などを行う配慮義務があると解釈されるべきでしょう。

  ここがツボ
    ・ 主治医の判断を無視した解雇は許されない
    ・ 医学的・客観的な意見書などの提示が有効
    ・ 使用者には復帰にあたって配慮義務がある
(21.2.9 朝日新聞 -労働問題-)

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