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店長に残業未払い容疑


「すき家」書類送検

 牛丼チェーン「すき家」を展開するゼンショー(東京)が残業代などを支払わなかったとして、すき家仙台泉店(仙台市)の元店長らアルバイト3人が同社を刑事告訴していた問題で、仙台労働基準監督署は10日、同社と賃金担当幹部1人を労働基準法違反(賃金不払い)容疑で仙台地検に書類送検した。
アルバイト側の弁護士によると、同社はアルバイト従業員の男女の残業代などの賃金を適切に支払わなかった疑いがあるという。
告訴していたのは仙台市内に住む男性1人と女性2人で労働組合「すき家ユニオン」のメンバー。
 告訴状等によると、3人は時給制のアルバイトとして雇われたが、確認できた平成18年9月勤務分までで残業代の割増賃金など計17万円が支払われなかったとする。さらに、女性の1人は店長だった06年2~5月、他店の応援などに行った際の173時間分の賃金計約14万円を支払われなかったという。

(20.12.10 朝日新聞  -労働問題-)

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いすゞ期間工3人解雇予告無効訴え

いすゞ期間工3人解雇予告無効訴え


    仮処分申請


 いすゞ自動車藤沢工場の男性期間従業員が9日午後、解雇予告の効力停止などを求める仮処分を横浜地裁に申し立てた。同工場では減産を理由に、期間従業員と派遣社員計約960人が今月26日で契約打ち切りを通告されている。
 申立書によると、男性3人はいすゞのトラックを製造する藤沢工場で数年間勤務し、数ヶ月ごとに雇用契約を更新。契約期間は来年4月までとなっていた。しかし、先月中旬、12月26日付で解雇を予告され、契約期間満了までの雇用を定めた労働契約法に違反するなどとしている。
 同社を巡っては、エンジンを製造している栃木県大平町の栃木工場でも、男性期間従業員2人が宇都宮地裁栃木支部に同様の申し立てを行っている。(20.12.10 読売新聞 -労働問題-)

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うつ病発症で自殺  7940万円賠償命令

「JFE子会社に」
 JFEスチール(旧・川崎製鉄)の社員だった男性(当時43歳)が自殺したのは過酷な労働でうつ病を発症したことが原因として、遺族が同社と出向先の子会社「JFEシステムズ」(旧・川鉄情報システム)に損害賠償を求めた訴訟の判決が8日、東京地裁であった。大段亨裁判長は業務と自殺の因果関係を認め、JFEシステムズに約7940万円の賠償を命じた。
 判決によると、男性は川鉄情報システムに出向中の2000年6月、自動車メーカー向けシステムの開発の実質的責任者になったが、システムに不具合が続発。メーカーへの長期出張や休日出勤が重なり、同年6~8月の残業は月に100時間を超えた。7~9月にうつ病を発症、自宅療養を経て01年5月に復職したが、同年8月に自殺した。判決は「長時間労働による疲労や、責任者としての過大な心理的負荷によってうつ病を発症することを予見できたのに、必要な人員配置などを行わなかった」と同システムの過失を認定した。
(20年12月9日  読売新聞 -労働問題-)

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雇用対策3年で2兆円

与党提示 140万人を下支え


 与党の『新雇用対策に関するプロジェクトチーム(PT)](座長=川崎二郎・元厚生労働相)は5日、非正規労働者の就労支援などを盛り込んだ追加雇用対策をまとめ、麻生首相に提出した。今後3年間で2兆円規模の事業費を投入し、雇用確保策や新規創出策により140万人の雇用の下支えを目指すとしている。政府は与党の提言も踏まえ、10日に政府としての雇用対策を決定する見通しで、可能なものから順次実施する。

 追加対策は、①雇用維持対策 ②再就職支援対策 ③内定取り消し対策――の3本柱からなる。雇用維持対策では、派遣社員を正規社員として採用した企業に1人あたり100万円(大企業は半額)を支給する制度などを盛り込んだ。再就職支援策では、地方自治体が職を失った非正規労働者や中高年者に一時的な就業機会を作る制度を創設する。雇用保険制度を見直し、非正規労働者に対する適用範囲を拡大し、受給資格も緩和する。内定取り消し対策では、ハローワークに相談窓口を設置し、悪質な場合は企業名を公表する。

 財源は雇用保険料の事業主の積立金である雇用安定資金と一般財源から各1兆円を確保し、雇用創出に向けて、過去最大規模となる4000億円の基金を設立する。一般財源分の1500億円は年明けの通常国会に提出する2008年度第2次補正予算案に計上し、残りの8500億円は情勢を踏まえて順次、支出する。与党は当初、追加雇用対策の経費について雇用保険からの1兆円で対応可能としていたが1兆円積み増しした。

「新たな雇用対策に関する提言」の骨子

雇用維持対策
 ●派遣先の派遣労働者雇い入れで100万円支給
 ●雇用調整助成金の特例措置実施

再就職支援対策
 ●適用基準緩和など雇用保険制度の見直し
 ●都道府県への交付金に基づく緊急雇用創出事業の創設
 ●障害者や母子家庭の母ら就労支援の推進
 ●福祉・介護業務の職業体験提供

内定取り消し対策
 ●内定取り消しに関する相談
 ●悪質企業の公表

            (20年12月6日  読売新聞 -労働問題-)

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改正労基法が成立

改正労基法が成立

 長時間の残業を抑制するために、時間外労働の割増賃金を引き上げる改正労働基準法が、5日の参院本会議で可決され、成立した。自民、公明の与党と民主党などが賛成し、共産、社民党などが反対した。

 10年4月施行で、現在は一律25%の割増率が、月60時間を超える部分は50%になる。ただし、経営への影響を緩和するため、中小企業への適用は当分見送られる。

 改正法では、すべての企業に対し、月45時間を超える残業代の割増率を25%超に引き上げる努力義務も課す。労使で協定を結べば、年間の有給休暇のうち5日分を時間単位で分割して取得することもできるようにする。(20.12.6 朝日新聞 -労働問題-)

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雇い止め 失業手当拡充

雇い止め 失業手当拡充


  厚労省、受給条件緩和へ


 厚生労働省は4日、雇い止めされた非正規労働者に対して、失業手当を受け取るのに必要な雇用保険の加入期間を、現行の1年から6ヶ月に短縮する方針を固めた。給付日数も暫定的に延長し、正社員の解雇と同じように手厚くする。景気後退で「非正規切り」が相次いでいることを受け、セーフティーネット機能を強化するのがねらいだ。

 5日の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の部会で厚労省案を示す。年明けの通常国会で雇用保険法を改正し、09年度から実施したい考えだ。

 原案では、非正規労働者の雇用保険の加入要件の「1年以上の雇用見込み」を、「6カ月以上」に短縮する。
 失業手当の給付日数は、雇い止めの場合、自己都合による退職者と同じで、倒産・解雇による離職者よりも少ない。これを改善するため、例えば雇用期間1~3年で雇い止めになった非正規労働者への給付日数を、現行の一律90日から、45~59歳は180日、60~64歳は150日など、倒産・解雇と同水準に延長する。

 また、再就職が困難な人には、失業手当の給付日数を60日程度延長する。対象は、特に雇用情勢の悪い地域の人や、現在は45歳以上の中高年に比べると給付期間が短い若年層を想定している。

 今回特に非正規労働者への適用範囲や給付を拡充するのは、世帯主など家計を担う人でも非正規が増えてきたためだ。現在、非正規労働者は1732万人(07年)にのぼるが、厚労省の推計ではその6割にあたる約1千万人が雇用保険に加入していない。(20.12.5 朝日新聞 -労働問題-)

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残業抑制効果に疑問符

残業抑制効果に疑問符


   改正労基法成立へ   中小企業は適用外


 残業代の割増率を引き上げる労働基準法の改正案が2日の参院厚生労働委員会で可決された。近く参院本会議で成立する見通し。現在は一律
25%の法定割増率のうち、月60時間を超える部分は50%になる。だが、中小企業には当面適用されないことから、実効性を疑問視する声も多い。
 改正案では、労使が事前に協定を結べば、年間の有給休暇のうち5日分について、1日単位ではなく時間単位で取得することも認める。
施行は2010年4月。
 改正の狙いは長時間労働や過労死を抑制することだ。労働政策研究・研修機構(JILPT)のまとめでは、週49時間以上働く雇用者の割合は、欧州ではフランスの9%など一ケタ台の国が多く、米国でも17%にとどまるのに対し、日本は29%と高い。一方、残業代の割増率は、海外ではすべての残業代を50%としている国が多い。
 今回の改正は、雇用者の約7割を占める中小企業の社員には適用されない。このため、「中小企業への適用が猶予された点には不満が残るが
、一歩前進。一定の残業抑制効果はある」(長谷川裕子・連合総合労働局長)と評価する声がある一方で、法案に賛成した民主党からも「ダブルスタンダードを認めると、労働者の命の価値に格差が生じることになりかねない」といった批判が出ている。
 これに対し、日本商工会議所の佐藤健志・産業政策部副部長は『中小はもともと経営が厳しいうえに、急な発注などで残業せざるを得ない場合がある。景気が悪いなかで残業代の割増率が上がると、社員の雇用にも悪影響が出かねない」と反論する。
 サービス残業が蔓延している現状から、法改正の狙いである残業の抑止効果そのものを疑問視する声も強い。JILPTの小倉一哉主任研究員の調査では、正社員の2人に1人はサービス残業を経験、月に1~39時間が約33%、40~79時間が約10%、80時間以上が約4%にのぼる。
 過労死弁護団全国連絡会議事務局長の玉木一成弁護士は「相談を受けているのは、残業時間をあえて記録せずにサービス残業を強いるケースが大多数。1日の終業時刻から次の始業時刻lまで一定時間を空ける制度や、過労死を出した企業名の公表義務化などが必要だ」と指摘した。(20.12.4 朝日新聞 -労働問題-)

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内定取り消し企業公表

内定取り消し企業公表


    厚労省方針  派遣の直接雇用、助成


 景気悪化で新卒者の内定取り消しや非正規労働者の「雇い止め」が相次いでいる問題で、厚生労働省がまとめた対策案が2日、わかった。内定を取り消した企業名を公表できるようにするほか、派遣先が契約満了前に派遣労働者を直接雇用すれば、1人当たり100万円(大企業の場合は半額)の助成金を支給する。
 予算措置が必要ないものは来春までに実施したい意向だ。内定取り消し対策では、職業安定法施行規則を改定し、取り消した企業を指導し、悪質な場合は企業名を公表できる規定を設ける。内定を取り消され就職先が決まらない学生を雇い入れた企業には、1人数十万円から100万円の奨励金を支給し、早期の就職決定を支援する。
 「雇い止め」や契約を中途解除された労働者らへの対策では、直接雇用した派遣先企業への助成金のほか、非正規労働者への雇用保険の適用基準を「1年以上の雇用の見込み」から6ヶ月程度に緩和し、失業給付金の給付日数の延長も検討する。
 また、社員寮に入る労働者は、失職と同時に住居も失い路頭に迷うことがあるため、敷金や礼金など新規入居の初期費用を貸与できるようにする。厚労省所管の独立行政法人が運営し、21年度までに全廃される雇用促進住宅(約14万戸)の活用も検討する。
 1連の対策は、11月27日に麻生首相が自公両党に対し、非正規労働者の雇用維持対策などの検討を指示したことを受け、まとめた。(20.12.3 朝日新聞 -労働問題-)

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製造業残業11%減

製造業残業11%減


 厚生労働省が1日発表した10月の毎月勤労統計調査(速報値)によると、全国の労働者の残業時間などにあたる所定外労働時間は前年同月比で7か月連続の減少となり、製造業ではほぼ6年半ぶりの大幅減だった。平均賃金を示す現金給与総額は10か月ぶりに減少に転じた。世界的な金融危機の影響で国内の雇用、賃金を巡る状況が厳しさを増している状況が浮き彫りになった。

 調査は全国の従業員5人以上の事業所約3300を対象に実施。10月に所定外労働時間は前年同月比4.5%減の10.6時間だった。とくに、製造業は同11.1%減と、2002年2月以来の10%を超える大幅な減少となった。この結果、残業代など、所定外給与も同3.1%減の1万9356円で、3か月連続でマイナスを記録。現金給与総額は同0.1%減の27万4751円、10か月ぶりの減少だった。一方、雇用者数は同1.3%増と58か月連続で前年同月を上回ったが、就業形態別ではパ-ト労働者が0.7%増と、06年2月以来となる1%台割れとなっている。(20.12.2 読売新聞 -労働問題-)

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裁判員候補 通知配達

裁判員候補 通知配達


   辞退 柔軟に対応


 来年5月に始まる裁判員制度に向けて、候補者となった全国約29万5千人に発送された通知が29日、届き始めた。仕事が忙しかったり、予定が入ったりした場合、どういう理由ならば辞退が認められるのか。最終的な判断は個々の事件の裁判官に委ねられるが、最高裁は「柔軟に認めていくべきだ」という方針だ。

          ○ 急な納品   × 社内会議

 裁判員は法律上、国会議員や弁護士などの法曹資格者、警察官や自衛官はなることができない。また、70歳以上の人や学生、重い病気を抱えている人などは辞退を希望すれば認められる。
 しかし、単に「仕事が忙しい」ということだけでは理由として認められない。「重要な用務で、自分が処理しなければ著しい損害が生じるおそれがある」という規程を満たす必要がある。どういう状況が「著しい」のかは、個別の事情次第。これまで各地の裁判所で行われた模擬選任手続きの例では「代わりになる人がいない」「別の日に変えられない」ということが重要な要素となっている。

 候補者となった人は、28日に発送された通知に同封された調査票で、特に忙しく、外して欲しい月を二つ、指定することができる。来年5月21日に制度が始まると、裁判員が事件ごとに数十人の候補者の中から選ばれるが、その時点でも具体的な日程を見て、辞退を希望できる。

 辞退がどこまで認められるのかは、希望者が全部で何人いるのかや、呼び出しに応じて何人が裁判所に来たのかによっても異なる。候補者の中からは裁判員(1事件で6人)に加え補充裁判員が選ばれるほか、検察と弁護側の双方が理由を示さずに外せる人も出てくる。
 25日に就任した竹崎博允・新最高裁長官は会見で「裁判員の選定では、柔軟な判断によって、生活に負担が起きないよう配慮する必要がある」と強調しており、辞退は当面かなり認められそうだ。(20.12.1 朝日新聞 -労働問題-)

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残業免除 義務づけ案

残業免除 義務づけ案


    育休法改正で厚労省


 働きながら子育てをするため、3歳未満の子どもがいる従業員は残業を免除してもらい、短時間勤務もできるように、厚生労働省は育児休業制度を改める方針を固めた。事業主に一律に義務づける。男性の育児参加を促す仕組みも検討。来年の通常国会に育児・介護休業法改正案の提出を目指す。

 労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の分科会に、こうした考え方をまとめた、たたき台が示される。残業免除と短時間勤務をめぐっては、労働側は「子どもの対象年齢をもっと引き上げるべきだ」とより踏み込んだ対策を主張。一方で、経営側は労務管理が複雑になることや業種を問わず法規制することに反発しており、議論は難航も予想される。

 仕事と育児の両立が難しいなどとして、働く女性の約7割が第1子出産を機に仕事をやめている。このため、育休を取った後、職場に復帰しやすい多様で柔軟な働き方を選べるようにすることが必要だと判断。

 従業員が残業免除を事業主に請求できる仕組みの導入や、勤務時間が通常より短い勤務形態の整備を事業主に義務づけることを検討している。短時間勤務は6時間程度を想定している。いずれも3歳未満の子どもがいる従業員が対象で、男女問わない。

 現行制度も残業免除や短時間勤務、託児施設の設置など六つの仕組みのうち、いずれかを事業主が選んで導入するよう義務付けている。しかし、子育て世代の要望が高い残業免除や短時間勤務を導入している事業主は2~3割にとどまっており、この2項目を義務化することにした。

 このほか、父母ともに育休を取る場合は、「子どもが1歳になるまで」としている育休を取れる期間を「1歳2ヶ月」に延長することも検討している。(20.11.28 朝日新聞 ―労働問題―)

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正社員にもリストラの波

正社員にもリストラの波

 世界的な景気悪化に伴う雇用調整の波が、正社員にも及び始めた。人員削減はこれまで、販売不振に悩む自動車産業などの派遣社員や期間従業員が中心だったが、正社員の希望退職に踏み切る企業が増えている。
 「業績が低く改善が見られない社員は、社外でキャリアを求めることを含め、将来について真剣にご検討いただきたい」
 コンピューター大手の日本IBM。11月上旬、社内向けのネットに人事担当役員名でこんな文書が載り、社員に波紋を呼んだ。コンピューターのサーバーなどの販売低迷で、売上高は3四半期続けて前年割れ。1万6千人の正社員のうち、年内をめどに1千人規模の早期退職を募る計画だ。
 会社側は、「競争力強化と社員のキャリアの選択を広げるため」と説明する。だが、全日本金属情報機器労働組合日本アイビーエム支部によると、5段階の人事評価のうち下から2段階までの人を対象に、会社側が繰り返し退職の意思確認をしている例もあるという。労組側は「『残ってもあなたの仕事はない』と言われた人もいる。事実上の退職勧奨だ」と強く反発する。
 正社員削減の動きは、業種を問わず広がりつつある。金型加工機械の中堅メーカー、ソディック(横浜市)は26日、約330人の全社員を対象に年内に希望退職を募集すると発表。応募者数は不透明だが、退職金のほかに一時金を支給する。部品メーカーなどの設備投資抑制の影響で09年3月期決算が赤字に転落する見通しとなり、「合理化が不可欠と判断した」(経営企画部)。希望退職に応じなかった社員も、12月から給与を最大2割カットする。
 中堅電機メーカーの沖電気工業も、50歳以上または勤続25年以上の管理職1200人程度を対象に、来年初めに300人の早期退職を募る。半導体事業から撤退し、管理職が余っているためという。
 不動産不況に直面するマンション・建設業界。マンション大手の大京は事業縮小にともない、40歳以上を対象に、社員の1割強にあたる450人の希望退職を募る。中堅ゼネコンの若築建設も、不動産開発会社ゼファーの破綻などに伴う特別損失の計上で経営が悪化。マンション事業から撤退、社員の1割強にあたる100人の希望退職に踏み切る。
 個人消費の落ち込みは、小売りやアパレル業界も揺るがす。大手アパレルのレナウンが300人の希望退職を募るほか、中堅のルックも27日から、正社員の3分の1にあたる約150人の希望退職の募集を始める。両者とも1年契約の嘱託社員のデザイナーも減らす。
 健康食品の製造・販売を手がけるキリンヤクルトネクストステージは、市場の縮小で苦戦が続く。栃木県内の工場を閉鎖し、正社員143人の7割にあたる100人の人員を削減する計画だ。
(20,11,27 朝日新聞 -労働問題-)

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10年春の新卒動向 採用一転、抑制へ

10年春の新卒動向

     採用一転、抑制へ


 金融危機の影響による企業の業績悪化が広がる中、10年春の新卒採用数を絞り込む企業が増えていることが、朝日新聞社が主要100社を対象に行った緊急調査で分かった。各社とも具体的採用計画を固めるのは年度末だが、すでに15社が前年度より減らすことを検討。ここ数年続いていた「売り手市場」が曲がり角にに来ていることが鮮明になった。
 調査は10月下旬から11月上旬にかけ、各業界の代表的企業に実施した。
 現在の大学3年生が対象となる10年春の採用数は「増やす」が2社、「前年並み」44社、「減らす」15社、「未定」が39社だった。
 例年、年度末に実施している調査と単純に比較はできないが、「減らす」が「増やす」を上回ったのは7年ぶり。積極採用の流れに変化が見られる。
 減らす企業では、「先行きの景気動向が不透明のため」(化学)、「今の経済情勢が続けば絞り込まざるを得ない」(電機)、「経済に応じて柔軟に対応していく」(サービス)など経済情勢を理由にする回答が目立った。
 一方、景況感とは別に「例年のペースに戻す」(サービス)という回答もあった。
 また、「未定」の企業の中には、「見通しは厳しい情勢」「良くても現状維持」と答える企業もあり、今後、さらに採用数を絞る企業が増える可能性は高い。
 ただ、各社にはバブル崩壊後の採用抑制で人員構成がいびつになった苦い経験がある。そのため、「減らすとしても極端な数にはならない」(電機)、「人員勝負の業種なので一定の数は必要」(証券)など、中長期的な観点から一定数の採用を継続していく方針の企業も少なくない。
 調査では、春採用以外の採用活動の実施状況も尋ねた。夏、秋、通年で行っているのは34社だったが、「春で充足できた」「経済状況に合わせる」などとして、今年は実施を取りやめた企業も5社あった。
 不透明な経済情勢が続けば、こうした採用形態にも影響が出る可能性がある。(20・11・17 朝日新聞 -労働問題-)

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