Q.労働者が自発的に残業した場合、労働時間として扱わなければならないでしょうか?
A.使用者が黙認している場合など、使用者の指揮監督のもとに行われていると認められる場合には、労働時間として扱う必要があります。
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Q.会社に無断でアルバイトをしている社員がいるのですが、副業禁止を理由として懲戒解雇したいと思っています。可能でしょうか?
A.二重就業の禁止規定に違反しただけでは、実態として懲戒解雇はできないと考えられます。
アルバイトをすることに会社の許可を取っていなかった事も、訓告などの軽い懲戒処分とし、始末書を取るなどの対応をすべきでしょう。
今回のケースでは、本人からアルバイトの内容などの事情を聞く事が先決です。
次に、会社の就業規則の二重就業の禁止規定について本人に説明し、会社の許可を取るように指導しましょう。
会社の許可が得られないようなアルバイトであれば、アルバイトを辞めるように伝え、それでも辞めないときは、退職の手続きをするよう本人と話し合うことになります。
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Q.仮眠時間中の賃金は、最低賃金の適用を受けますか?
A.宿直勤務などの際の仮眠時間も、火災などの緊急事態に備えることが義務づけられている場合は、労働時間と解され、賃金支払いの対象となります。
ただし、仮眠時間中の賃金は、通常の労働時間中の賃金とは別に定めることができます。しかし、仮眠時間中といえども、最低賃金を下回ることは許されません。最低賃金より低くしたい場合は、「減額の特例許可」を労働基準監督署へ申請しましょう。
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Q.インターンシップで支払う日当はどのようにすればよいでしょうか?
A.学生を対象に行うインターンシップは、内定者研修と異なり、参加するかどうかは本人の自由意思です。
ただし、インターンシップで行なう体験業務の利益が会社に帰属し、かつ、会社と学生の間で使用従属関係が認められる場合は、学生は労働者となります。
その場合、学生に対して支払う日当などは賃金に該当し、最低賃金の規制を受けます。
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Q.歩合給の営業職やタクシー運転手の最低賃金について注意すべきことはありますか?
A.労働基準法第27条では、仮に成果がなくても一定の賃金を保障するように定めているので、最低保障額給を支払い最低賃金をクリアする必要があります。
<歩合給など出来高払制によって賃金が支払われる場合>
歩合給の総額÷総労働時間数=時間当りの金額
上記で求めた額を最低賃金額と比較。
<固定給と歩合給の組合せの場合>
固定給部分、歩合給部分それぞれを時間換算して、合計した額と最低賃金額を比較。
最低保障給の額は、一般に平均賃金の6割以上は必要とされています。
例えば、歩合制の営業マンの賃金が固定給と歩合給となっている場合、次の要件を満たすようにしましょう。
①固定給+歩合給が最低賃金を上回る
②もし成果が上がらず、①の額が、最低賃金に達しなかった場合、保障給を支払い、最低賃金をクリアする
③②の場合、平均賃金の60%以上となるようにする。
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Q.最低賃金の周知義務とは何ですか?
A.使用者は最低賃金の概要を、常時作業場の見やすい場所に掲示するなどして、労働者に周知させなければなりません。周知させるべき事項は、次のとおりです。
・最低賃金の適用を受ける労働者の範囲およびそれらの労働者に適用される最低賃金の額
・最低賃金に算入されない賃金
・最低賃金の効力発生日
この周知義務を怠ると50万円以下の罰金が科されます。
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Q.震災に伴い、事業活動が縮小している為、来年度の新卒採用の内定を取消したいと思っています。内定者の取り扱いで留意することはありますか?
A.採用内定を得ている方については、可能な限り入社できるよう最大限努力をいただければと存じます。
採用内定により労働契約が成立したと認められる場合には、採用内定取消しは解雇に当たり、労働契約法第16条の解雇権の濫用についての規定が適用されます。
したがって、採用内定取消しについても、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、権利を濫用したものとして無効になります。
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Q.通常の労働者と同視すべきパートタイム労働者は、賃金についても差別的取扱いが禁止されているということですが、基本給や賞与などすべてについて正社員と同じとするということでしょうか?
A.すべての賃金が対象です
賃金の決定についても差別的取扱いが禁止されることにより、時間比例とすることや能力等の評価を反映させることが合理的であると考えられるものを除いて、基本的には通常の労働者と同じにすることが求められます。
<退職金の取扱い>
退職金は、一般的に算定基礎賃金に勤続年数別の支給率を乗じて算定される場合が多く、賃金の後払いとして位置づけられていますが、同時に功労報償的性格も有するといわれています。
通常の労働者と同視すべきパートタイム労働者は、必ずしも入社時から通常の労働者と同視すべき状況であったとは限らないため、入社時からの勤続年数等を踏まえて決定するといった、通常の労働者の退職金決定方法と全く同じくすることまでは求められないと考えられます。
通常の労働者と同視すべき状況に至った時からの勤続年数等をもとにして、退職金の算定を行い、それ以前の貢献分も通常の労働者との均衡を考慮して評価を行ってはいかがでしょうか。
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Q.「通常の労働者と同視すべき」とは、どのような点から判断するのですか?
A.職務内容、人材活用、雇用契約期間の3要件で判断します。
「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(パートタイム労働法)」の第8条において、以下の要件が定められています。
●通常の労働者と比較して、
①職務の内容が同一であること
②職務の内容および配置の変更の範囲が、当該事業所において雇用される期間の全期間を通じて同一と見込まれること
(人材活用の仕組み、運用が同一であること)
③雇用契約期間の定めがないこと
これらを満たしているにもかかわらず、通常の労働者とパートタイム労働者との間で待遇の取扱いが異なっている場合は、不合理な差別と考えられます。
※期間の定めがある場合であっても、反復更新によって期間の定めのない労働契約と同視することが社会通念上相当と認められる有期契約であれば、雇用契約期間の定めがないことと同様に扱います。
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Q.創業者である代表取締役会長が退職することになりました。退職にあたり3億円の役員退職金を支給する予定です。なお、創業以来45年間社長を務め、退職時の月額報酬は150万円、2年前会長になるまでは250万円でした。損金処理上問題はないでしょうか?
A.不相当に高額とはいえないので、妥当な範囲
法人が役員退職給与を損金経理により支給した場合であっても、その支給額が不相当に高額な部分の金額は損金不算入とされることになっています。この不相当に高額な部分の有無については、役員の期間、退職の事情、その法人と同業種・類似規模法人の役員退職給与に照らして判断することとされていますが、税法上は、特に具体的な定めはありません。
役員退職給与の算定方法は、「平均功績倍率法」が一般的に利用されています。
退職時の役員報酬月額×勤続年数×平均功績倍率(役員の貢献度)で求められます。
功績倍率ですが、社長・会長は3倍程度で計算すれば、税務上不相当に高額とはならないでしょう。
ご質問のケースでは、150万円×45年×3=2億1000万円ですが、社長時報酬を考慮すると約3億5000万円となり3億は妥当な範囲でしょう。
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Q.人員削減の一環で、特に名指しせず、条件も明示せずに早期退職の募集をしました。
募集に応じた人には、「自己都合ということで退職金は基準額の50%」と伝えたところ、「割増退職金がないのは納得できない。せめて事業縮小という会社都合なのだから100%払ってほしい。」と言われました。
どのようにすればよいでしょうか?
A.規定次第では法的に問題ないが、現実的には難しい
就業規則にて、
「事業上やむを得ない事由によるときに該当して退職し、または解雇されるときは、基準額の100%を支給する」、
「従業員が事業上やむを得ない事由によって解雇されるときには、基準額に標準月収の1ケ月分の加算を行う」、
「自己の都合により退職するときには基準額の50%」、
などと規定されているとすると、50%支給は妥当な処置であるともいえます。
しかし、早期退職を希望した理由は「やむを得ない状況であった」と、文章などの証拠を提示して主張してくる可能性もあります。
今後も経営を続けていく為に早期退職制度の実施もやむを得ないと選択するのであれば、割増退職金を支払うまでではありませんが、会社都合による退職にし、退職金は減らさない方がよいでしょう。
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