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労働問題Q&Aの記事一覧

共稼ぎ夫婦の一方を遠隔地へ転勤させることは可能ですか?

Q.集配送の拠点である大阪営業所で欠員が出たので、倉庫業務経験のある東京営業部の社員に転勤命令を出そうと考えています。
しかし、社員の妻は、当社の東京工場に勤務しており、転勤となれば妻と別居か、妻の退職のいずれかとなり、子供の保育にも差し支えるとして反対しています。転勤命令は出せないでしょうか?

A.
転勤命令に合理性があれば問題なし

転勤させる場合、「業務上の必要性」および「当該労働者を選択した事の妥当性」の2つが必要です。
今回は、共に満たしていると考えられますので転勤命令を出しても差し支えないでしょう。

転勤命令は、使用者の有する「労働指揮権」の行使ですので、使用者に裁量の余地が認められるべきです。

転勤命令が合理性を備えている場合、転勤が労働者の生活関係を根底から覆す等の特段の事情がない限り、労働者は命令を拒むことができません。

今後のためにも、就業規則には「会社は業務上必要な場合、従業員に転勤を命ずることができる」という内容の規定も入れておきましょう。


  中小企業経営者協会 岡本経営労務事務所
URL: http://www.chukeirou.com/ http://www.e-syarousi.com/
mail: chukeirou@gol.com
TEL: 0120-176-606(平日9~18時) FAX:045-902-0374
住所: 〒225-0002 神奈川県横浜市青葉区美しが丘2-28-5

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業績不振により製造部門の一部を閉鎖した場合、賃金はどうなるでしょうか?

 Q.不況を乗り切るため、A商品を一時製造中止するのですが、その部門の従業員は、異動も解雇もできません。そこで、一時帰休を実施したいと思いますが可能でしょうか。またその間の賃金はどうなるのでしょうか?

 A.休業手当として6割以上の支払いが必要
質問の場合は、操業部門の一部閉鎖ですから、就業規則に帰休の条項がなくても、一時帰休を実施することができます。しかし、不況による操業縮小は、労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由による休業」ですので、6割以上の休業手当を支払わなければなりません。

 

また、休業手当相当額の一定割合が受給できる「雇用調整助成金」又は「中小企業緊急雇用安定助成金」の活用を検討してみてはいかがでしょうか?

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賃金の前払い請求には応じるべきでしょうか?

Q.採用したばかりの従業員が、父が危篤なので、給料の前借りをしたいと言ってきました。会社の資金繰りが厳しいので、予定外の出費はさけたいのですが、応じなければなりませんか?

A.非常時の費用については働いた分を支払う必要がある

労働は後払いが原則ですが、非常の場合は労働基準法第25条で次のように定めています。

使用者は、労働者が出産、疾病災害その他命令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払い期日前であっても、既定の労働に対する賃金を支払わなければならない。

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在宅勤務者の法律的な立場は一般の方と同じでしょうか?

A.完全に在宅のみの業務でないなら一般の労働者と同じです。

労働基準法第9条では、労働者の定義について、「この法律で『労働者』とは、職業の種類を問わず事業又は事業所・・・に使用される者で、賃金を支払われる者をいう」としています。
在宅勤務者がはたして上記第9条でいう「労働者」に該当するか否かという問題があります。
この判断基準について厚生労働省は、「使用従属性」に関する判断基準として、指揮監督下であるか否かを挙げています。

具体的に、指揮監督下であるとされる要素
①仕事の依頼や業務従事の諾否の自由がない
②業務の内容や遂行方法に関して指示したり、進捗状況について本人からの報告によって把握、管理している場合
③勤務時間が定められており、本人の自主管理及び報告によって使用者が管理している場合
④他社の業務に従事することが制約されまたは事実上困難であるなど専属性が高い場合

このほか、報酬から給与所得として源泉徴収を行っているかどうか、労働保険の対象としているか否か、採用、委託等の際の選考過程が正規従業員と同様であるかも判断基準になります。

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採用内定者を取消したい場合、どうすればよいでしょうか?

 Q.内定を取り消す場合、解雇予告手当の支払いが必要なときはどんなときでしょうか?

ケース①経営の悪化に伴い、民事再生の申し立ても検討している状況なので、採用を取消したい。
ケース②内定者の中に、思想上好ましくない者がいることが分かったので、採用を取消したい。

A.企業が、新規に学校卒業者を従業員として雇い入れるようとし、手続を経て採用内定通知をした場合には、問題が生じます。採用内定通知は、「準備手続としての行為」にすぎないとみられることもありますが、何らかの契約(採用内定契約、解約権権保留付労働契約等)が成立していると解釈されています。
 よって内定取消には、合理的な理由が必要です。

ケース①の場合⇒合理的理由にあたります。
ケース②の場合⇒少なくとも30日前に予告をするのが、適当です。
(予告する日が30日に足りない場合は、その日数分の解雇予告手当を支払う)

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パートタイマーの勤務日数を変更した場合の年休

Q:年度の途中で週3日から週4日に勤務日数を変更した場合、年次有給休暇の日数はどのようになるのですか?

A:勤務日数変更後、最初に到来する基準日で変更

 年次有給休暇は基準日(入社日)において発生するため、年度の途中であれば、年休の日数に変わりはなく、勤務日数変更後最初に到来する基準日に、日数の増減に合わせて変更すれば足ります。今回のケースの場合、翌年度の基準日から、週4日勤務に応じた日数を付与することとなります。

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傷病手当金を受給中に、新たな疾病が併発。最初の手当が終了後に次の支給が開始されますか?

傷病手当金は次の4つの条件がそろったときに支給されます。

①療養中であること
②労務不能であること
③4日以上仕事を休んでいること
④給与の支払いがないこと(傷病手当金より少なければ差額支給)

傷病手当金の支給期間は、支給開始の日から1年6カ月です。
ある病気で仕事を休んでいて傷病手当金の支給を受けている間に、これと関係ない新たな病気した場合、支給期間はそれぞれについて計算されます。(期間は重複します)

但し、手当は重複しては支給されません。

よって、最初の病気の支給期間終了後から、あらたな病気の支給期間が開始されるわけではありません。

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懲戒処分の調査の為、自宅待機命令後、正式な懲戒処分を行うことは、二重処罰になりませんか。

自宅待機命令は正式な処分を行うまでの業務命令であるので、その後正式な懲戒処分を行っても二重処罰には当たりません。

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個人所有の携帯電話を業務使用するので、補助として「携帯電話手当」を支給する場合、賃金に該当しますか?

携帯電話の借上料は、従業員に対し経済的利益を与えているかどうか(実費弁償になっているか)で判断し、支給基準を設定する必要があります。


<賃金に該当しない場合>
通話明細書を提出させ、業務に使用された料金を個人に支払う。
(=会社の通信費として計上)


<賃金に該当する場合>
 一律の金額を業務使用割合に関係なく社員に支払う。
(=給与所得として課税)

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請求時期など手続に違反して請求した年次有給休暇を認めなかった場合、違反になるでしょうか?

 請求時期については、法は何も記載していないため、解釈上は「時季変更権が行使できる前日の終業時刻まで」とされています。
 ただし、業種によっては、業務に支障がでる場合もある為、合理的な範囲での制限が可能であるという判例もでています。


判例1:10人規模の運送業で、「3日前までに請求」の制限は合法(大阪地裁平成12.9.1三晃運輸事件)
判例2:前々日までに請求しなければならない規定は有効
(最高裁1小昭57.3.18電電公社此花電報電話局事件)


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期間満了後、中3日空けて再度契約した場合、年次有給休暇の適用は継続されるか?

Q.期限のある契約を期間満了で一旦打ち切って、中3日程空けて再度期限付きの契約を締結しました。この場合、年次有給休暇の適用(日数のカウント)に当たって継続とみなされるか。

A.一般的には、その期間が短い場合は継続とみなされるが、その期間がどれくらい空いていれば継続と見なされないかについては、ケースバイケースです。

その期間がたとえ短くても、前の雇用契約は完全に終了したが、数日経って新たな仕事で人が必要になったため、同じ人に声をかけて採用したのであれば継続とはみなされません。

しかし、継続雇用から逃れるための目的で期間を開けたのであれば継続雇用と見なされます。通常、1か月以上の期間が空くと継続と断定するのは困難と思われます。

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懲戒したことを社内に掲示しても構わないか?

就業規則の適正な手続きによって懲戒処分する場合、社内の掲示板に掲示しても差し支えない。

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雇用保険の基本手当と教育訓練給付は併給できる?

 

Q.現在、失業中で雇用保険の基本手当を受給中です。資格取得の為に学校へ通おうとした所、教育訓練給付の存在を知りました。教育訓練給付と基本手当は併給できるのでしょうか?

 

A.教育訓練給付の受給条件

1.訓練開始の日(基準日)に被保険者であること

2.被保険者でなければ、離職後原則1年以内

3.被保険者期間が3年以上(初回の受給は1年)

(⇒過去に教育訓練を受給するために算定した被保険者期間は含めない)

上記の条件を満たせば受給でき、基本手当と調整されることはありません。

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解雇事実認定を提訴中でも雇用保険の基本手当は受けられますか?

 

事業主に解雇されましたが、不服なので裁判所へ提訴中です。このように解雇の効力を争っている場合でも、雇用保険の基本手当は受ける事が出来るでしょうか?

 

下記の場合に限り資格喪失の確認を行い「条件付給付」が支給されます。

1、解雇された被保険者が、解雇を不当として離職証明書の記載内容について相違ない旨の署名・押印を行わないが、離職証明書の欄外に「○○に提訴中であるが、基本手当の支給を受けたいので、資格喪失の確認を請求する」と記入し、署名・押印を行うこと。

2、現在提訴中で、まだ判決が行われていないこと。

 賃金が支払われるまでの暫定的措置として、基本手当が支給されます。しかし、判決によって解雇時に遡及して賃金が払われる場合は、基本手当を返還することとなります。

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数年後帰国させる予定の海外派遣で雇用保険資格は喪失させるか?

 

下記の①~④のどれに当てはまるかによって対応が異なります。

①外国へ出張して働く場合
②国内の適用事業で雇用される者で、海外支社に勤務する者
③国内の適用事業の雇用関係を残したまま一定期間、国内の事業主の命で海外の事業主に雇用される者
④国内の適用事業の雇用を終了し、海外の事業に雇用される者

①・②の場合
適用事業との間の雇用関係に変更はない為、資格は継続します。
③の場合
出向した労働者は海外の事業主と新たな雇用関係を結ぶことになりますが、その出向が国内の事業主の命により行われ、雇用関係が続いている在籍出向であれば、資格は継続します。
④の場合
国内の事業主と雇用関係が終了している為、資格を喪失します。

 なお、日本の事業主が現地において採用する労働者は、その国籍のいかんを問わず、日本の雇用保険の被保険者とはならないので、注意が必要です。

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