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労働問題Q&Aの記事一覧

採用内定を取り消せるか?

Q:採用内定を取り消せるか?

 

A:採用内定期間中に、誓約書等その他会社が必要とした書類の未提出や、採用予定日までに卒業できないなど解除条件の成就により採用を取り消す場合は、正当な解約権の行使として問題はないが、健康上の理由、履歴書等による虚偽の記載や発言、犯罪行為のあったとき、暴力団との関係のあるとき、採用を取り消すべき経営上の理由があったとき、などの理由で採用を取り消す場合は「解雇」に該当するので、解雇予告の手続きが必要。
 また、会社側からの取り消し事由については「客観的に合理的で社会通念上相当であること」が必要とされているが、上記内容については正当事由となろう。いずれにしても採用内定通知書に取消事由を明示しておくことは必要である。
 なお、所定の入社日を繰り延べる場合は「会社都合による休業」となり平均賃金の60%以上の休業手当の支払いが必要となる。また、学卒者の採用内定取消、内定期間延長のときは、学校若しくは職業安定所長に通知が必要。(職安法第54条、同法施工規則第35条)。

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残業で夜食の買い出しに行き交通事故に、労災認定は?

Q:残業で夜食の買い出しに行き交通事故に、労災認定は?
20代男性会社員。急な残業が入り、深夜まで働くことになった。腹が減ったため、近くのコンビニエンスストアに夜食の買い出しに行ったところ、交通事故にあった。残業時間中の事故なので、労災認定をしてもらえるだろうか?

 

A:労災認定のカギをにぎるのは、業務遂行性と業務起因性の2つが認められるかどうかだ。夜食をとらなければ業務効率が上がらなかったことや、夜食の買い出し時間中も会社の管理下にあったことの立証が必要だ。
 残業の量が多く、本当に深夜まで働かなければならなかったかは検証が必要。だらだらと過ごして仕事が深夜に及んだのなら、業務との関連性は薄い。事業所内に食堂や買い置きの食べ物がないなど、他の選択肢の有無もポイントとなる。
 就業時間外や事業所外の災害は、事業主の管理下にないのが一般的だ。昼休み中に事業所外のレストランに行って事故が起きた場合は、業務時間外の私的行為で、労災は認められにくい。労働問題に詳しい弁護士は、「夜食の買い出しは、原則的に私的行為で、労災認定は難しい」とみる。
 単純に、自分の夜食を購入するために出かけただけなら、労災には当たらないと見るべきだろう。事業所内に食堂などがなく、上司から買い出しを頼まれた場合は業務命令とみなせる余地もあるが、同僚らの夜食を買いに行って事故にあっても、労災とは呼びにくい。
 2008年2月の岐阜地裁の判決は、同様の事例で労災を認めたが、通常予定されていない突発的な事態での行為を対象とした。この事例では、労働者Aは、02年1月2日、非番だったものの、夜勤を命じられた弟Bと一緒に工場に出勤した。Bの夜食が手配されていなかったため、AはBの依頼で、近くのコンビニにBの弁当を買いに行き、工場に戻る途中で交通事故にあった。
 岐阜地裁は、本来は用意されているべきBの夜食が用意されていなかったことを突発的事態と指摘し、Aが夜食を手配するリーダーに代わり、夜食の手配業務をやったことは、同じ工場に勤務する労働者として合理的に期待される行為だったと判断した。
 業務遂行のために特別な事情があったと主張できる根拠がなければ、労災を認められる可能性は低い。職場をめぐるトラブルに詳しい弁護士は、「残業中の出来事がすべて労災とは限らない」と注意を促している。

ポイント
①業務上必要な行為だったか【業務遂行性】
②業務上必要な行為により事故にあったか【業務起因性】

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月給制で、欠勤や遅刻・早退で賃金カットする場合、月の所定労働時間で割ることになるのか?

 欠勤等の控除の計算方法は、①月決め賃金÷一か月の平均所定労働日数(時間数)②月決め賃金÷その月の所定労働日数(時間数)の二つの保方法がある。
 理論上は①が正しいが、②でも法違反にならない。なぜなら、月によって金額が異なっても、年間ベースで見れば不公平はない。実際は②の方が計算しやすい。
 ここでは、基本給からの控除のみとした。他の月決めの手当を控除の対象賃金とすることも可能。

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仕事の性質上緊急呼び出しの可能性がある場合の賃金は?

Q.仕事の性質上緊急呼び出しの可能性があるため、労働者を就業時間外及び休日に自宅又は連絡可能な状態に待機させているが、賃金の支払いが必要か?

A.労働時間とはみられないので、賃金としての支給は不要。ただし、一般的には「待機手当」のようなものを支給している。賃金規則に記載する場合は、「待機手当 緊急の事態に対処するために自宅待機した者に対して、平日日額500円、休日日額1000円を支給する。」と定めればよい。なお、この手当は通常の労働に対する賃金ではないので、割増賃金の計算の基礎には算入しなくてよい。

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「病気」で会社から休職を命じられたら?

Q.「病気」で会社から休職を命じられたら?

A.家庭の事情など仕事とは関係ない理由でうつ病となり、これまで通り職務を続けていくのが難しくなるケースがあります。本人は働けるとおもっていても、会社を休むように言ってきた場合、どうすればいいでしょうか。
 法律にはいわゆる私傷病休職に関する規定がなく、多くの会社は就業規則で独自に規定を作っています。これまで通り働けなくなったからといって、すぐに解雇せず、一定の治療期間を与えて再び働いてもらえるようにするのが、労働者にとっても会社にとっても有益です。私傷病休職規定は解雇猶予規定といわれることもありますが、規定があるのをいいことに会社がむやみに労働者に休職命令を出すことは許されません。
 建築工事の現場監督を長年していた原告が、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されるバセドー病のため配置転換を求めたら、4カ月の自宅療養を命じられ、その間の賃金が不払いだったという事例がありました。現場監督は職種限定の採用ではなく、入社後にたまたま就いたにすぎません。負担の軽い仕事なら可能と申し出たのに、会社は拒絶し、休職を命じたのです。
 最高裁判決は、現場監督ができないまでも他の業務ができるなら、傷病休職を命じる前に軽い仕事を検討すべきだとしました。軽い仕事とはいえ、ベテランが新人のような仕事でいいかというと、それは極端。経験や能力、会社の規模などに見合った範囲で判断されることになるでしょう。うつ病ならば、残業の免除など業務量を調整してもらう方法もあります。
 会社の休職命令が適切かどうかの判断では、病気の程度が重要。その資料として通常は医師の診断書が欠かせません。受診や医師の選定などは原則として労働者の自由ですが、会社が健康状態を把握しようとするのに、正当な理由なく協力しない場合は解雇となる可能性があります。診断書の内容に疑問を抱く合理的な理由があれば、会社指定の医師に受診すべきだと判断した裁判例もあります。
 うつ病でも休まずに仕事を続けられると主張したいのであれば、症状を正確に会社に理解してもらえる診断書を提出した上で、業務量の調整やストレスの少ない部署への異動などを話し合うべきでしょう。

<ポイント>
・むやみに労働者への休職命令をだすことは許されない
・会社は休職を命じる前、負担が軽い仕事への変更検討
・医師の診断書などを求められた場合はきちんと応じる

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12月1日で、今年40歳になるAさんの1回目の介護保険料は、何月分の給料から徴収されますか?

Q.12月1日で、今年40歳になるAさんの1回目の介護保険料は、何月分の給料から徴収されますか?①11月分 ②12月分 ③来年1月分の給料

A.①
 介護保険には第1号被保険者(65歳以上の人)と、第2号日保険者(40歳から64歳までの人のうち健康保険など公的医療保険に加入している人)がいます。Aさんの場合、12月1日で40歳になれば、第2号被保険者となり、介護保険料を支払う義務が生じます。
 第2号被保険者の介護保険料は健康保険料と一括して毎月の給料から徴収されます。Aさんは12月に40歳になるので、12月分の給料から介護保険料が徴収されるのではないかと多くの人は考えるかもしれませんが、実際の徴収は11月分の給料からになります。
 「年齢計算に関する法律」によって、年齢が加算されるのは誕生日の前日の午後12時と定められています。Aさんはこの法律の上では12月1日の前日の11月30日に年齢が加算されて、40歳になります。このため、介護保険料を支払う義務は11月から生じているので、11月分の給料から保険料が徴収されることになります。12月2日生まれだと、法律上12月1日から年齢が加算されるので、12月分の給料からの徴収です。

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住み込み従業員の家賃、食事代を差し引いて賃金を支払っても問題ないか?

Q.住み込み従業員の家賃、食事代を差し引いて賃金を支払っても問題ないか?

A.労働者代表との「賃金控除協定」を締結しておけば問題ない。

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上司に休日の接待ゴルフに誘われました。断ってもいいですか?

Q.上司に休日の接待ゴルフに誘われました。断ってもいいですか?

A.事情説明し理解求める必要があります
 接待ゴルフには2種類あるので注意してください。
 1つは会社が業務の一環として実施するゴルフ。この場合、「参加しなさい」という上司の誘いは「会社による業務命令」とみなされます。多くの会社は就業規則に「業務命令として従業員を時間外・休日勤務させることができる」といった規定を設けており、この休日勤務にあたるわけです。出勤扱いになり、手当もでます。
 断れば業務を怠ったと見なされ、勤務評定に響くケースもあり得ます。
 しかし一般的な休日の接待ゴルフは、正式の業務ではなく、出勤扱いにならないケースが多いのも事実です。この場合、業務ではありませんから、私的な理由でも断ることができます。上司にも参加を強制する権利はありません。
 とはいえ、取引先とのコミュニケーションの円滑化など、非公式の接待ゴルフにも一定の効果は期待できます。断ることのメリット・デメリットを考慮すれば、かたくなに断るのも得策ではないのかもしれません。

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インフルエンザにかかって発病している社員を出勤停止にできるか?

Q.インフルエンザにかかって発病している社員を出勤停止にできるか

A.安衛法第68条は伝染性の疾病等にかかった労働者の就業禁止を規定しているが、労働安全衛生規則及び通達で、感染症法で予防措置がとられるものは、安衛法では対象としていない。(1類~3類感染症患者及び無症状病原体保有者[1~5類感染症、指定感染症、新感染症の病原体を有している者で症状を呈していない者])については、飲食物の製造、販売、調整又は取り扱いの際に飲食物に直接接触する業務について、エボラ出血熱、ジフテリア、SARSなど他者の身体に直接接触する業務や多数の者に接触する業務について、それぞれ都道府県知事が就業制限を行うこととされている。(感染症法施行規則第11条)
 したがって、4類、5類感染症の疾病で上記に該当しない業務について安衛法に基づく就業禁止の対象となる。インフルエンザは5類感染症に分類されているので就業禁止が可能であるが、実際に就業禁止にする場合は産業医その他専門医の意見を聴かなければならないことになっている。(安衛則第61条第2項)この場合、法的には賃金の支払い義務はない。

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Q.自転車で通勤したいのですが、注意点はありますか?

Q.自転車で通勤したいのですが、注意点はありますか?

A.交通費、支給停止が大半です。
 健康促進を兼ね、できるところから地球環境への貢献を始めようと、自転車通勤に切り替える人が増えています。しかし、会社によっては、駐輪場がないため自転車通勤を許可していないところもあります。本社以外の事業所に限って認めていたり、雨など天候の悪い日は禁止していたりと、細かく条件を設定している会社もあります。まずは社内規定を確認しましょう。明記していない時は、総務部門などに問い合わせれば答えてくれます。
 これまで電車やバスなどで通勤していた場合、交通費は支給されなくなる場合がほとんどです。手当が出る会社もありますが、月額2000円程度の少額になるのが一般的です。
 事故などのリスクにも注意が必要です。通勤途中の事故なら基本的には労災保険の対象ですが「寄り道」中の事故は認められません。また、法律上自転車は自動車と同じ車両とみなされますから、人にケガをさせ、賠償責任を問われることもあり得ます。
 自転車の普及を推進する自転車文化センターの谷田貝一男氏は「通勤に毎日利用するなら損害保険に入るべき」と指摘しています。自転車販売店などでは、整備と簡易な保険をセットにしたサービスもあります。自転車通勤を始める前に、検討してみてはどうでしょう。

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健康診断費用は事業主が負担すべきか?人間ドックを希望する者についても全額負担すべきか?

Q.健康診断費用は事業主が負担すべきか?人間ドックを希望する者についても全額負担すべきか?

A.健康診断の費用は会社負担である。ただし、労働者が会社の健診を希望せず自己の希望する医療機関で受診しその結果証明書を会社へ提出したときは、会社は健診義務を免れる。成人病健診や人間ドックを希望する者についての差額は労働者負担としても差し支えない。

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社内でセクハラがあった場合、会社も損害賠償をしなければならないか?

Q.社内でセクハラがあった場合、会社も損害賠償をしなければならないか?

 A.男女雇用機会均等法第21条(改正法第11条・平成19年4月1日施行)ではセクハラに起因する問題について雇用管理上配慮することを義務づけており、また、厚生労働大臣は事業主の配慮すべき事項として、事業主の方針の明確化と周知・啓発、苦情相談窓口の設置、事案が生じた場合の迅速・適切な対応などを定めている。したがって、これらを適切に実施していないと義務違反に問われ損害賠償もあり得る。

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通常業務以外の業務を断ったら時給減額ということは許されるのでしょうか?

Q.地元食品工場でパートを始めました。繁忙期に遠方の販売店への応援を求められ、「断るなら時給を20円下げる」と言われました。応援は構わないのですが、都合のつかないこともあります。「通常以外の業務を断ったら時給減額」ということは許されるのでしょうか?

A.労働基準法やパートタイム労働法は、労働者の資金や契約期間、仕事の場所や内容などを明示するよう使用者に義務づけています。パートについては、それらに加え、昇給、退職金、賞与の有無を文書で渡さなければなりません。
 時給の減額は、契約内容の変更にあたります。本来、契約内容を変更するには、使用者と労働者の新たな合意が必要で(労働契約法第9条)、使用者が就業規則や労働協約の変更を伴わず、一方的に時給を引き下げることはできません。
 使用者に「時給減額を受け入れないなら解雇する」などと言われ、書面へのサインを迫られる場合もあるかもしれません。民法は、合意が「強迫」や「詐欺」によるものと言えるときは、後に取り消すことができるとしていますが、労働者側でそのことを立証する必要があります。
 ですから、減額に納得いかなければ、簡単には同意せずに、ひとまず使用者に対して文書やメールで、減額には同意しない旨をきちんと伝えましょう。後に差額分を未払い賃金として請求することができます。ただし、請求権の時効は2年なので注意が必要です。
 もう一つ、注意したいのは各都道府県ごとに定められている最低賃金(時給)です。たとえ減額に合意したとしても、その額が最低賃金を下回っていれば無効となります。
 今回の事例では、仕事の場所と内容の変更にも問題があるかもしれません。契約が「工場でも製造業務」に限定されているにもかかわらず、応援とはいえ「店舗での販売業務」を使用者が望むのであれば、やはり労働者との合意と、文章の交付などが必要となるでしょう。
 使用者、労働者とも、いったん定めた労働契約の「重み」を再認識することが重要です。

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採用した労働者がすぐに辞めてしまった場合、損害賠償を請求できるか?

Q.採用した労働者がすぐに辞めてしまった場合、採用に要した費用(新聞広告代、社宅代わりに会社が借りたマンションの敷金相当分など)を損害賠償として請求できるか?

A.可能性がないとはいえないと思われるが、裁判で認められたケースは希である。
東京地判平成4.9.30 ケインズインターナショナル事件:特定業務のため採用した労働者が短期間で退職したために、契約を打ち切られた事例で、得べかりし利益の7%、労働者の退職後に労働者が損害賠償として支払う旨合意した金額の3分の1だけ認められたケースがある程度である。

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セクハラに該当する?

Q:40代の男性管理職。部下の女性社員がにおいの強い香水をつけている。職場の仲間も気にしている。上司として、香水について女性に注意することがセクシュアル・ハラスメント(=セクハラ、性的嫌がらせ)にならないが心配だ。

 

A:外資系企業の法務部勤務経験がある森原憲司弁護士はセクハラについて「相手がセクハラと感じ」、かつ客観的にも「違法か、違法でないとしても人の価値観や社会通念に反する行為」を指すと説明する。最近は「違法でないからセーフとか、女性が嫌がるからアウトなどと判断基準を勘違いしがちだ」(同弁護士)と指摘する。
 この基準によれば、相談例の場合は原則、セクハラには該当しないという。職場の環境や秩序を乱す恐れがあるため上司の責務で正す必要がある。客観性を保つため、本当ににおいは強いか職場の仲間に確かめるべきだ。
 では、外勤の営業担当者の場合はどうか。労働問題に詳しい中村克己弁護士は「勤務する会社の看板を背負って仕事をするので、においに対する許容度は内勤に比べて低いだろう」と話す。会社の印象が悪化し、顧客が離反しかねないからだ。とはいえ、従業員の身なりについて注意することは「企業秩序の維持を目的とした『労働者の自由の制限』にかかわる」(中村弁護士)。だが、業務に支障をきたす場合を除き、業務命令として禁止することはできないという。
 身なりに関する就業規則違反をめぐる処分について判断した裁判例がある。トラック運転手が茶髪などを理由に解雇された事例で、1997年に福岡地裁小倉支部は「企業が秩序の維持を名目に労働者の自由を制限する場合、制限行為の内容は必要性・合理性・手段方法としての相当性を欠くことがないよう特段の配慮が要請される」などと判断し、解雇は無効とした。
 セクハラにならなくても、注意の仕方に気をつける必要がある。森原弁護士によると「気に入らない」と言うのはもってのほかだ。「香水をつけなくても魅力的」と言うのはセクハラになりかねない。女性の管理職と一緒に注意するのも一法だ。

*セクハラの主な定義
   
 社会学的には、歓迎されない性的言動または行為により屈辱や精神的苦痛を感じさせてりすること、性的な言動または行為によって相手方の望まない行為を要求し、これを拒んだ者に対し、職業、教育の場合で人事上の不利益を与えるなどの嫌がらせに及ぶこととも定義される。(97年、東京地裁判決)
   
①犯罪となるもの
(例)レイプ、痴漢、性的うわさを流すなどの名誉棄損、ストーカーなど
  
②民事上違法と判断されるもの
(例)食事やデートに執拗に誘う、わいせつ文書を送りつけるなど

③法的に違法とまではいえないが、人々の価値観や社会通念に反する行為
(例)女性だけに私用を頼む、カラオケのデュエット、お酌をさせるなど

  
*ポイント
①職場の環境や規律を正すのは、基本的には上司の責務
  
②注意の仕方や言い方によっては問題になる場合も

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