今年3月に卒業した学生の就職戦線は厳しい状況下にあり、まだ就職先が決まらない新卒者たちも多くみられます。景気は回復傾向にあるといわれながらも、企業はまだ採用には慎重で、来春の就職こ向け活動している学生たちもまた厳しさが予想されます。
一方、中小企業にとっては、能力ある人材を採用できる絶好のチャンスでもあります。今年1月、経済産業省が発表した雇用創出企業のように、雇用へ前向きな企業も少なくありません。しかし、若者の意識の多くは大企業へと向いてしまいがちで、働きたい学生と雇用したい企業がお互いに意欲を持ちながらもすれ違いが起こっているという現状があります。
そこで、雇用の橋渡しという意味で、国は求職者と事業主の相互理解のために新しい助成金を導入しました。ひとつは「新卒者就職応接プロジェクト」というもので、就職先が未定の今春新規学卒者対象に長期間の職場実習(インターンシップ)などを実施するものです。
中小企業の生産現場などに触れる機会を提供し、中小企業で働く上で必要な技能や技術、ノウハウなどを習得してもらおうというものです。今年の2月から始まり、対象は5000人程度とまだ少ないですが、試みとして今後に向け期待が持てるものだと思います。
もうひとつは「新卒者体験雇用奨励金」という2011年3月31日までの暫定措置です。就職先が未定の新規学卒者を体験雇用(31日間の有期雇用)として受け入れる事実主に対し支給されるものです。対象者は次の①と②いずれにも該当し、正親雇用や雇用機会の確保のためには体験雇用を経ることが適当であると安定所長が認め、11年3月末までに体験雇用を開始したことが必要となります。
要件は①09年10月から10年9月までに卒業したもので、雇い入れ開始日の満年齢が40歳未満の者②ハローワークに求職登録を行い、就職先が未定の者(体験雇用の開始日は卒業日の翌日以降となります)。
こうした職場体験は若者にとっても、企業にとっても、理解を得るよい機会ととらえ、積極的に利用していくとよいと思います。
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